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2022年8月24日、偉大な経営者、京セラ創業者の稲盛和夫氏が亡くなりました。
『アメーバ経営』『京セラフィロソフィ』など、稲森氏がつくりあげた哲学は
経営だけにとどまらず、人としての生き方・働き方にまで通じる拠り所となっています。
PRESIDENTでは過去40年分、本誌に託された一般に未公開の講演録から、人生のヒントをお届け。
客に愛される営業部長はどこが違うか?
『哲学と人柄』を加えるから、モノが売れる

営業、技術陣が渾然一体となって醸すもの
1993年3月12日、盛和塾福岡塾長例会にて
ちょっと不況対策という話からずらしまして、先ほど私はセラチップ会に出していただいて、本当に感激をしました。
京セラの『セラチップ』というのは、旋盤とかフライス盤をご存じでしょうか。
金属を削る機会がありますが、その旋盤とかフライス盤の先端にある金属を削る切削工具です。
いろんな形状の小さいものがたくさんあるのです。
昔から金属を削るのは、ハイスピード鋼(ハイス)という工具と、
その次に出てきましたのは、超硬工具というのが全盛を極めていました。
それは東芝さんでは『タンガロイ』という名前で売られていますし、
住友電工は『イゲタロイ』という名前で超硬工具を出していますし、それから日立も出しています。
超大手企業が切削工具に乗り出していって、わずかまだ20年しかたっていません。
最初は超硬工具よりもセラミックのほうが硬いので、セラミックを工具に使えば、となりました。
これを最初に見つけ出したのは、ドイツのセラミックメーカーです。
ここが戦後、華々しくセラミックで切削加工、金属を高速で切削することをやってみせました。
それで、俄然セラミックでの切削に関心が保たれたわけです。
《途中省略》
今日のセラチップ会にお見えのみなさん方に、
「ぜひ京セラの『セラチップ』という切削工具を売っていただきたい」と言いましても、
みんなそれぞれ系列ができあがってしまって、「京セラさんなんて」と誰も扱ってくれない。
それを一生懸命お願いして売っていただいたのです。
なんと嬉しいことに、現在では一般の工具販売店さんを通じて、
町工場の人たちが使われる旋盤やフライス盤に使うチップのシェアでは、
京セラは2番、3番目というところに、歴史的にはたいへん短いのに、なってきたわけです。
その九州の代理店、卸をやっていらっしゃる40社ぐらいの方々がお集まりになって、
毎年、メーカーがやるのではなく、売っていただいている代理店の方々が集まってやっておられるのが
九州セラチップ会です。
そこへご挨拶とお礼にお伺いしたのですが、すばらしい雰囲気を持っておられます。
たいへん褒めていただいて、私も本当に感激して、手を合わせて拝む気持ちがするくらいになりました。
そして、こうおっしゃるのです。
「たしかに京セラの切削工具、セラチップというのは、いいものを供給してくれて、我々も販売してたいへん業績が拡大して嬉しい。ところが、京セラはいいセラチップを売るだけではなく、それを売りに来ている京セラの営業、説明にくる京セラの技術陣、そういう人たちが渾然一体となって醸し出す京セラフィロソフィ、京セラ文化というものを添えて我々に供給してくれる。だから、言っては悪いが、先発のメーカーに比べて売れるんです」
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