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AIの登場で人々の生活や仕事が変わると言われますが、実際どう変わるのでしょうか。
PRESIDENTでは、ビジネスや人工知能に精通する塩野誠氏が新時代を生き抜くための道標を示しています。
五感にもとづいた経験にこそ価値がある
時代はChatGPTの前と後で明確に分かれている
与えられた入力から新しいデータを生成することができるAI技術である生成AI、
たとえばChatGPTは、2012年前後に起きたディープラーニングの登場以来、AI界にひさしぶりにやってきた大きな波です。
通常、先進的なテクノロジーは専門家の間でしばらく研究された後に世間に人々が知ることになりました。
その意味で、時代はChatGPTの前と後で明確に分かれていると言っていいでしょう。
ChatGPTがこれほど早く知れ渡ったのは、ChatGPTが人間ならば誰しも関係がある言語のテクノロジーだからです。
では、ChatGPTが普及する前と後で、人々の生活や仕事はどのように変わるのでしょうか。
『人間とは何か』を突きつけられた
ChatGPTの登場で突きつけられたのは、『人間とは何か』という問いでした。
ChatGPTは、ネット上の膨大な文章を入力した自然言語モデルであり、
「この言葉はこの言葉に相関性が高い」というモデルのもとで自然な文章を生成していきます。
それがあまりに自然なので、実は人間の思考も、言われているほど複雑ではなく、
単に相関性の高い言葉をつないでいるだけではないかと感じるほどです。
実際、AIのトレーニングは子育てと大差ありません。
悪い言葉ばかり教えると「ヒトラーは最高」などと答えるようになるので
AIの答えに対して「これは常識っぽくていい」「倫理的に正しい」と人間がフィードバックして
AIをまともな人格に育てていくわけです。
フィードバックのループを続けた先にやってくるのは、人間とAIの見分けがつかない世界です。
オンラインサービスを使うときに、ロボットでなく人間であることを証明するテストを求められる場合がありますが、
そういったテストがもはや追いつけない時代になるのです。
現時点でそこまで到達しているかどうかは疑問ですが、後から振り返ったときに
「人間とAIの見分けがつかなくなったのはChatGPTの後から」という整理がされるでしょう。
人間に残された領域は『生身の身体性』
AIを含めたソフトウェアは、コストが安いという特徴があります。
たとえばコールセンターで人間のオペレーターは一人にしか対応できませんが、
「◯◯についてお問合せの方は1番を押してください」という自動案内は同時に何人もの人に対応できます。
AIの思考も同様で、一度に多くの人に提供が可能であり、人間よりコストは低くなるでしょう。
人間とAIの機能が変わらないから、コストの低尾ほうが利用されるのは自明の理です。
ただ、人間にはまだ残された領域があります。
生身の身体性です。
いずれはロボットがセンサーをつけて移動しながら情報収集する時代がやってくる可能性が高い。
しかし今のところは、自由に移動して五感を通して情報を得ることができるのは生身の人間だけです。
ChatGPT後も、「生身の人間ができること」の価値はおそらく高いままです。
むしろAIに代替できないことがわかって価値が高まるでしょう。
本誌ではChatGPT後の生き方、働き方、稼ぎ方についても掲載されています。
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