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中古車販売大手・ビッグモーターの不正の背景には、パワハラ気質の『社訓』があったのは周知の事実。
企業がブラックなら社訓もブラック、その逆も然り。
SPA!では、社訓からブラック職場の重症度を読み解く術を、実例を交えて紹介しています。
ブラック企業のバカ社訓
『仕事に惚れろ!会社に惚れろ!自分に惚れろ!』
「幹部には、部下の生殺与奪権を与える」
「会社と社長の思想を受け入れない人は今すぐ辞めてください」
「社内恋愛は二度目まで!三度目は転職を勧告する」
中古車販売・ビッグモーターの不正請求が連日報じられていますが、
社外秘の『経営計画書』に上記のようなパワハラ全開の“社訓”めいた内規があることが発覚し、
大きな物議を醸し出しました。
中古車販売・A社に2年ほど前まで勤務していた樋口雄一さん(仮名・29歳)は、
社訓を叩き込まれた新人研修を「ビックモーター並みにヤバかったですよ!」と振り返ります。
「1ヶ月の合宿で『仕事に惚れろ。会社に惚れろ。自分に惚れろ』と、暗示さながらの営業十ヶ条などの社訓をお経のようにひたすら大声で唱えるんです。同じような言葉が延々と繰り返される信念十二ヶ条なんて、唱えていると催眠術のように思考停止に陥る。
結局、合宿では社訓だけを繰り返し、実務は一切教わらなかった(苦笑)。こうやって新人を会社の鋳型にハメていくんでしょう」
少し前まで学生だった新人社員にかかるストレスはことのほか大きかったといいます。
「同期500人が参加した合宿研修では社訓の試験があるんですが、相手が高揚して涙を流すくらいじゃないと合格できない。不合格だと上司から鬼詰めされて、何十人もの新入社員が過呼吸になったほど。救急車が何台も駆けつけたのに、上司が研修をやめようとせず、救急隊員が『まだ続けるのか?いい加減にしろ!』と逆ギレして、ようやく中断しました。
その後も思考停止のまま1ヶ月もしごかれ、最後に『君たちは最高の仲間だ!』と上司から褒められたら、愛社精神をすんなり受け入れてしまうものです」
上司の暴力も甘受する社訓の絶大な効果
その後、配属された店舗では、鉄拳制裁上等のパワハラ店長が待ち受けていたそう。
「ビッグモーター同様にノルマが厳しくて、店長から『殺すぞ!』と言われない日はなく、毎日どう生き残るかばかり考えてました。社訓の唱和で洗脳されていたので通報するとか訴えるとか、微塵も考えつかない。
辞めなかったのは、研修で苦楽を共にした同期がいたから。まぁ、同期との一体感も、会社が離職防止のために植えつけたんでしょうけど」
社訓は洗脳だけでなく、唱和の仕方が査定に大きく影響したといいます。
「A社はブラック企業によくあるインセンティブは高いが、基本給が激安な給与体系で、業界では『稼ぎたいならビッグモーター』と言われていた。それでも頑張って営業粗利を月1000~1500万円稼いだんですが、上乗せの能力給がわずか3万円余り。粗利200万円の同僚の給料のほうが高かったんです。
理由を上司に聞くと『イズム(A社の経営理念)が体現できていないから』と言う。ビッグモーターと同じで、数字を挙げても、会社への忠誠度が足りないと給料は上がらない。さすがにキレて辞めました」
晴れてホワイト企業に転職した今、樋口さんは古巣のA社をこう冷静に評します。
「社訓や社内の空気によって、上司は絶対的な存在になっていく。創業者が3度離婚しているA社には、『離婚して一人前』という妙な考えがありました。家庭を犠牲にして仕事に打ち込んだ証なんです。
だから、職場不倫が多く、妊娠するケースも珍しくない。ある女性社員が突然成績が上がって不思議に思っていたら、不倫相手の上司が商談を手伝っていた(笑)」
美辞麗句が並ぶ社訓があっても、企業体質は真っ黒でした。
本誌では、A社以外にもブラック企業が紹介されています。
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