
この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。
記事の有効期限以降は本誌は非公開となります。ご了承ください。

世はまさにハラスメント時代。
最近では、チャットの語尾に句点を付けるだけで、『マルハラ』などとハラスメント扱いされる風潮さえあります。
PRESIDENTでは、『◯◯ハラ』に翻弄されないための、自己防衛術を紹介しています。
相手が不快に思ったら即ハラスメントか?
解説:ハラスメント対策専門家 山藤祐子
最近、「相手が不快に思ったら、そのすべての言動がハラスメントだ」とする
社会的な風潮が強まっていることに、私は強い懸念を抱いています。
総合職として入社してきた部下に地方への転勤の辞令を伝えたところ、
「それはパワハラでしょう」と訴えてきたケースがありました。
採用にあたって地方転勤がありえることを含めた雇用契約を交わし、
部下本人も内容を確認したうえで署名しているにもかかわらず……。
どうしてそう思うのかを尋ねると、
「いざ、自分が辞令を受けてみて、どうしても嫌だと思ったから」という返答があったそうです。
往々にして、自分が思ったことをなかなか言い出せない部下と、
自分が思ったことをストレートに口に出してしまう部下に二分されます。
前者の場合、ハラスメントに対する悩みを一人で抱え込み、問題を深刻化させてしまうことがあります。
後者の場合は、本来ハラスメントに該当しないにもかかわらず、一方的に「ハラスメントだ」と騒いで、
上司やコンプライアンス担当者を右往左往させることになります。
いまではチャットGPTをはじめとする生成AI(人工知能)を使って、
自分がハラスメントを受けているかどうかを、瞬時に調べることができます。
しかし、自分の置かれた立場をきちんと整理したうえで、正確な前提条件を入力していなければ、
チャットGPTといえども判断が歪みます。
会社側が事実関係を詳細に調査し、ハラスメントには該当しないことを伝えても、
「チャットGPTが正しい」と言って一歩も引かず、根気強く説明するしかないようなケースも少なくないようです。
日頃から部下が働きやすく環境づくりに取り組んでいる上司の皆さんからは、
「次から次へと新しいハラスメントが生まれ、気苦労が絶えない……」といった
ため息交じりの声が聞こえてきそうです。
近頃では、LINEをはじめSNSでのやり取りの文章で、最後に句点のマルを付けられると
萎縮してしまうという若者が、「マルハラ」を訴えてくることがあるようです。
上司の皆さんのような大人世代だと、文章の最後にマルを使うのが当たり前でしょう。
それで威圧感を受けたと指摘されても、戸惑うばかりで、コミュニケーションが取りにくくなってしまいます。
雨後の筍のように次から次へと新しいハラスメントが誕生してくる社会的な背景として、
2019年にILO(国際労働機関)で採択された
「仕事の世界における暴力およびハラスメント」に関する条約・勧告があります。
それを受け、ハラスメントに関連する法律の内容の整備が促進されました。
それに伴ってハラスメントに関する裁判が増え、それらを報じるメディアを通して
されてきたことが影響しているようです。
しかし、あくまでも働きやすい職場をつくるために、ハラスメントを問題にするわけです。
些細なことをハラスメントとしてあげつらい、職場におけるコミュニケーションを萎縮させて、
働きにくい職場にしてしまうのであるなら、本末転倒ではないでしょうか。
本誌では、認定されているハラスメント6種や、
ハラスメントにならないための言葉の言い換えなども紹介されています。
この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。
記事の有効期限以降は本誌は非公開となります。ご了承ください。






