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『うつし世はゆめ よるの夢こそまこと』
これは江戸川乱歩の名文句ですが、17歳にして浮世離れした美しさをもつ市川染五郎さんには、
ドラマティックな役柄がよく似合います。
初出演となった大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で演じたのは源義高。
人質として差し出され、頼朝の娘・大姫の婚約者となりますが悲劇的な最期を迎えます。
6月には『信康』で歌舞伎座初主演。
徳川家康の嫡男で、これまた若くして非業の死を遂げる信康を瑞々しく演じました。
劇場版オリジナルアニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』では声優にも挑戦。
シュウ ウエムラの日本ブランドアンバサダーに起用されるなど、歌舞伎俳優の枠を超え、
稀有な存在感を広く知らしめた躍進の1年となりました。
今回のPenでの市川染五郎さんのインタビューをピックアップします。
いまの自分にできること

「いまの年齢はなにをやっても挑戦になると思っているので、とにかくいろんなことに挑戦する、いろんな経験をするということが大事なんじゃないかと思っています。
ひとつの大きな目標に向かって走っていくというよりは、いまの自分にできること、いまの自分にしかできないことを、いまの自分を通して表現したいですね」
17歳とはどういう年齢なのでしょうか。
「自分はまだ大人になったとは思っていないので、大人になったという感覚がいつどんなきっかけで生まれてくるのかを、まだわかっていないと思うんです。さすがに見た目はもう子どもではないし、大人の役を演じることも増えました。あとは、どのくらい幅を広げられるか」
そんな彼に、当て書きの達人でもある大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の脚本家・三谷幸喜が用意したのが
悲劇の若武者・源義高でした。
「かつら合わせに行った時、プロデューサーの方から『蝉の抜け殻を集めているという設定に三谷さんがしてるらしいんだけど、虫とか大丈夫ですか』って言われたんです。それが義高のキャラクターで最初に得た情報でした。あとから台本を読んで、なるほど、こういう描き方をするのかと」
木曽義仲を討ちに行く義経(菅田将暉)が、息子の義高を哀れに思い『お前にやろうと取っておいた』と渡したのも蝉の抜け殻。
父・義仲の強さを信じる義高は『戦で父に敵うわけがありませぬ。もはや再び会うこともないでしょう』と言い放ちます。
若くして散るふたりの邂逅を描いた名シーンでした。
「蝉の抜け殻を握りつぶすとは台本には書いていないんです。現場で監督と話をして、思い切り握りつぶしてあのシーンができた。それがあんなに反響をいただいてうれしかったですね」
本誌ではインタビューの続きをお読みいただけます。
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