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年齢を重ねるほど、認知症に対する不安は誰もがもちますが、
実は高齢者のうつ病も心配なのです。
精神科医の和田秀樹先生のうつ病の症状にも、物忘れはあるとのこと。
今回は認知症とうつ病の違いや、似ている部分なども紹介されています。
意外に多い高齢者のうつ
和田先生の本業は高齢者専門の精神科医。
「この仕事は認知症の診断や治療や家族との相談など、認知症関連のことが主になります。とはいえ、似た症状で実は違う病気だったという診断や、本来認知症は治すことができないので、周辺症状といわれる異常言動の治療、病気の進行を抑えるデイサービスなどの紹介といったことも含みます。
日本老年精神医学会という学会に出たことがありますが、演題のほとんどは認知症がらみです」
ただ、もう一つ仕事の重要な柱があり、それが高齢者のうつ病の診断と治療です。
認知症と違って、うつ病は適切な薬物治療で改善することが多く、完治する人もいます。
そういう意味で、医師としてやりがいがあるのは、やはりうつ病の治療ということになりますし
医師のもとに早く来てほしいと思うのもうつ病の患者です。
ただ、多くの人は認知症を恐れ認知症を意識しますが、うつ病を恐れる人は少なく、うつ病を意識する人も少ないのです。
高齢者の20人に1人はうつ病に苦しんでいる
実はうつ病は珍しい病気ではなく、高齢者ではなおのこと多いものです。
一般にうつ病の有病率は3%、つまり30人に1人です。
アメリカの最新の診断基準DSM-5によると、アメリカにおけるうつ病の有病率は7%。
WHOの2015年の統計では、世界人口の4%がうつ病に苦しむとされています。
高齢者ではそれが多くなり、いろいろな地域住民調査では5%程度だとされます。
つまり、若い人よりうつ病が多いのです。
高齢者の20人に1人はうつ病に苦しんでいることになります。
認知症は、人口の高齢化とともに激増しました。
認知症とうつ病の大きな違いは、うつ病も歳をとるほどなりやすくなると考えられていますが、
それほどの急増ではないのに対して、認知症は加齢とともに急増することです。
認知症と間違いやすいうつの症状
最近になって若年性の認知症が取り上げられることが増え、多くの人が恐れるようになりましたが、
多くの人が恐れるようになりましたが、40代で認知症になる人は1万人に2人、50代では1万人に8人とされます。
それが70代になると8%、80代では30%以上、90代ではなんと70%以上です。
つまり、70代前半までは、認知症よりうつ病のほうが多いのです。
病的な物忘れというと認知症をイメージしますが、
実は高齢者のうつ病では、認知症のような物忘れは珍しくありません。
中高年以降の物忘れは、人の名前が出てこないという、一度覚えたものを出力できない想起障害が多くなります。
これは多くの場合、病的なものではないのでそれほど心配はいりません。
しかし、認知症の物忘れというのは、記銘力障害銘と呼ばれる記憶の入力障害です。
例えば5分前に聞いたことを覚えていないということであれば、この入力障害ということになります。
この入力障害ということになります。
こちらは病的なものである可能性は小さくありません。
このような入力障害が認知症でなくても、うつ病でも起こります。
70代前半まででこれが起こったとすれば、認知症よりうつ病の可能性がむしろ高いとさえいえます。
しかし、それがうつ病の症状だと思われることは少ないのです。
あるいは、歳をとって若い頃より元気がなく、毎日をうっとうしいと思って暮らしていても、
歳のせいだという風に思う人が、本人も家族にも多いでしょう。
かくして、実際は決して少なくないうつ病なのに、見過ごされることが多いのです。
その原因の一つには、一般の人のうつ病についての知識の不足もあります。
本誌では和田先生の経験と学んだことから、うつ病の症状について説明しています。
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