【血糖値コントロール継続のコツ】症状がないから危機感がないけれど高血糖を放置しないで!

  • 更新日
  • 有効期限 2023.11.14

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糖尿病の進行を防ぐためには血糖コントロールが第一ですが、
なかなか続かなかったり、あきらめてしまったりする人がいます。

栄養と料理では、糖尿病や腎臓病の患者に寄り添う〈赤羽もり内科・腎臓内科〉の皆さんに
血糖コントロールを続けるために大事なことを聞いています。

 

症状がないから危機感がないけれど
高血糖を放置しないで!

 

 

血糖コントロールはたいへんで、続けることがむずかしいという印象があります。

理由はどこにあるのでしょうか。

 

森維久郎先生:『血糖値が高くても、自覚症状がないこと』に尽きると思っています。健康診断の結果を持って初診で来られる患者さんの中には、治療の話をしようとしても「その手には乗らないぞ」という自己防衛のスタンスのかたもいらっしゃいます。数値的にはまずい状況なのに、「症状がないから自分は大丈夫」と判断して、なんか私が悪い人みたいになっちゃうことがあるんです。

 

医療に対する不安感?それとも不安からでしょうか。

 

森先生:医師の話より、身近な人の経験談を自分に置き換えてしまうかたはいますね。「人間ドックの血液検査で引っかかったけど、特にどこも悪くなってない」「再検査したけど結局なんでもなかった」といった話です。体は人それぞれ違いますし、症状が出る前のケアが大事なんですけどね。

 

確かに、自覚症状がないと病院に行くのをつい後まわしにしてしまいそうですね。

 

森先生:患者さんは二極化しているかな。まだ糖尿病予備軍なのに「全身を検査して調べてください」という完璧主義の人と、すぐにでも入院したほうがいいのにまったく危機感がない人もいますね。

 

大城戸寿子先生:関心がないように見えて、内心では気にされている方もいます。でも、忙しくて余裕がなかったり、なにから始めていいのかわからないという感じかもしれません。

 

糖尿病になる人といえば、おいしいものが好きな人や、よく食べる人というイメージがあります。

今までの習慣を変えることがむずかしいのでしょうか?

 

大城戸先生:それが最近はそういうかたばかりではなく、むしろクリニックには「自分の体を自分で管理したい」と来院するかたも増えています。そういうタイプの患者さんには、代謝や吸収など体のしくみのことを理解してもらうと、治療がうまく運ぶことがあります。

症状がなくても、自分の血液データを見ることで体の中でどんなことが起きているかがわかるから、治療に前向きにとり組めるんです。

 

森先生:大城戸さんが得意な患者さんのタイプですね(笑)。

 

では、具体的に治療でたいへんなことはなんでしょうか?やっぱり減量ですか?

 

田中由香子先生:BMIが25を超えている患者さん。いわゆる肥満なら、減量を指導します。その場合は、減量すれば結果は出やすいです。でも実際のところ、今は糖尿病で肥満のかたは少なくなってきてるんですよ。

 

そうなんですか!?

 

田中先生:はい。もちろん肥満の患者さんもいらっしゃいますが、特別に多いわけではなく、太っていないのに血糖値が高いという人もたくさんいます。

 

森先生:偏食や食べすぎによる太った患者さんが少なくなりましたねー。

血糖値が高くなる理由には大きく2つあって、一つはインスリン(血糖値を一定に保つためのホルモン)が効きにくいタイプ。もう一つはインスリンの分泌機能が低下しているタイプです。

 

インスリンが効きにくい要因の多くは肥満や不摂生ですが、遺伝的な要因なども関与することがあります。インスリンの分泌機能が低下する要因には、免疫疾患、遺伝、加齢、体質などが影響します。日本人が、欧米人と比較するとそれほど肥満ではないのに糖尿病になりやすいのは、インスリン分泌機能が低いからだといわれています。

肥満でインスリンが効きにくい場合は、運動が効果的です。高齢者のように、インスリン分泌量が少ない場合は、「少ないインスリンで、いかに血糖値をうまくコントロールするか?」が重要になります。日本人に多い『太っていないけど血糖値が高い人』も同じアプローチになります。

 

田中先生:通院される患者さんも、そんなに食べていないのに、血糖値が悪化している人が多くなっているという印象です。逆に、適正量をしっかり食べるようになったことで血糖値が改善した人も多くいます。

特に注意が必要なのは高齢者です。自己流で食事改善をして、やせてしまうかたがよくいるんです。低栄養から筋力が落ちれば、さらに身体活動量が低下して介護のリスクも高まりますから、高齢者の体重は注意してみるようにしています。

 

森先生:高血糖で今は症状がなくても、そのまま放置すれば血糖や神経がダメージを受け続けて、さまざまな合併症が出てきます。三大合併症(糖尿病性神経障害、糖尿病性膜症、糖尿病性腎症)はよく知られていますが、動脈硬化が進行して心不全や脳梗塞のリスクが高まるほか、体の抵抗力が弱くなり感染症にかかりやすくなるなど、全身に影響が現れます。

症状がないときに血糖値の上昇をストップできるかどうかが、ひいては人工透析に至らずにすむかどうかにつながるので、一生懸命説明しますが、なかなか患者さんには伝わらず、患者さんのことなのに診察室でわれわれのほうがからまわりしているように見えることもあります(笑)。少しでも伝わるといいなと思って試行錯誤しています。

 


 

本誌では、血糖値と食事の関係についてもしっかり解説しています。

 

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