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年をとっても元気に、自立して生きていく。
だれもが願ってやまない、理想の老後の姿です。
それは可能なことなのでしょうか、
そのためにはいったいなにができるのでしょうか。
『栄養と料理』では、フレイル予防研究の第一人者である、飯島勝矢さんにインタビューしています。
『フレイル』という言葉にこめられた願い

だれも避けては通れない『老いの坂道』。
『フレイル』は、年をとって心身の活力が低下した状態のことで、
老いの坂道では『健常』と『要介護』の中間の段階になります。
飯島「フレイルとは、『虚弱』を意味するfrailtyという英単語を基に作られた日本独自の言葉です。しかし、frailtyには虚弱のほかに衰弱という意味もあり、直訳するとどうしてもネガティブなイメージになってしまいます。そうではなく、要介護の手前の段階を前向きにとらえて明るい気持ちで予防意識を高めてもらいたいという願いが日本語の『フレイル』という言葉にはこめられています」
日本老年医学会によってフレイルが提唱されたのが2014年。
いわゆる『団塊世代』が65歳を迎えた時期と重なります。
介護予防の必要性が叫ばれ、それが切実な課題であることをわかってはいても、
なにをすればいいのかわからない。
そんな日本人に向けて、「新しい風を入れるため」に作られたのがフレイルという言葉だったのです。
フレイルを理解するための3つのキーワード
しかし、「老いの坂道」を前向きにとらえることは、本当に現実的なのでしょうか。
「フレイルを理解するためには、3つのキーワードがあります。
1つ目は『健常と要介護の中間』ということ。要介護の手前の段階で、ややもするとガタンと自立度が低下してしまう時期です。
2つ目は『リバーシビリティ(可逆性)』。そんなデリケートな時期だけれど、適切な介入を行うことで十分、健常な状態に戻すことができます。
そして、3つ目が『多面性』です。フレイルには、転倒をくり返したり、食べられなくなったりという身体的な側面と、気力がなくなったり、ふさぎ込んだりという精神的な側面と、社会とのつながりがうすれたり、切れてしまう社会的な側面の3つがあります。これらの要素が違いにからみ合いながら、負の連鎖となって老いの坂道をころがり落ちていく。これが自立度の低下です。
老いの坂道は直線ではありません。最初はゆっくりと、気づかないぐらいの傾斜で落ちていくのですが、フレイルから要介護へは急激なカーブを描きます。フレイルは可能性がありますが、先に進めば進むほど元に戻れなくなってしまいます。
つまり、ちょっとした衰えに少しでも早く気づいて適切な対処をすることが大事です。その対処とは、日常生活でのひとくふう。お医者さんに薬をもらうとか、人になにかしてもらうということではなく、自分しだいでがんばれることがたくさんあります」

本誌では自分の老いの状態をチェックできる『フレイルチェック』が行えます。
またさらに詳しい解説もご覧いただけます。
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