岡山で検出された水道水の発がん性物質PFASの原因は…放置されていたフレコンバッグ!?

  • 更新日

この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。

 

河川や地下水から発がん性物質のPFASが全国各地で検出されている問題は、
さらに深刻な事態へ進んでいます。

私たちが日々、口にしている『水道水』からPFASが検出され始めたのです。

 

週刊ポストでは、各都道府県を取材し、独自の水道水汚染マップを作成しています。

今回はPFASが検出された岡山県吉備中央町に住む阿部順子さんのインタビューをピックアップします。

 

「水道水を飲まないで!」

 

 

岡山県吉備中央町に住む阿部順子さん(43)の自宅には、水道に3台の浄水器が備わっています。

 

「水道水のPFAS汚染がわかってから、新たに2つの浄水器を取り付けました。PFASを除去する活性炭付きの浄水器です。もともとあった浄水器も、活性炭のフィルターに取り替えました。汚染の発覚直後は、何も信じられませんでしたから……」

 

昨年10月、吉備中央町にある円城浄水場から国の暫定目標値の28倍となる
『1リットルあたり1400ナノグラム(ng/L)』もの化学物質・PFASが
検出されていたことが明らかになっていました。

 

直後、給水対象地域では、町内放送でこうアナウンスされました。

 

「水道水を飲まないでください!」

 

PFASとは1万種類以上ある有機フッ素化合物の総称です。

体内や自然界で分解されずに蓄積されるため、『永遠の科学物質』と呼ばれています。

世界保健機関(WHO)の専門組織・国際がん研究機関(IARC)が発がん性リスクを警告するなど、
健康への影響が指摘されてきた物質です。

 

そのPFASが昨今、全国各地の河川や地下水などから検出されています。

深刻なのは、一般市民が直接口にする水道水やその取水源となる地点から検出される事例が出ていることです。

 

吉備中央町の円城浄水場は町内522世帯、約1000人に水道水を供給していました。

さらに、浄水場の取水源だった河平ダムからも高濃度のPFASが検出されました。

現地では、同ダムの最上流部付近の資材置き場に
15年ほど前から置かれていた『フレコンバッグ』の中身から高濃度のPFASが検出され、
水道水汚染の原因とみられています。

すでにフレコンバックは撤去され、同町は河平ダムからの取水を停止。

円城浄水場の取水源を別のダムに切り替えました。

 

11年間飲み続けた

 

昨年11月、吉備中央町の住民27人を対象に血液検査が行われました。

その結果、27人全員が、米国の学術機関が定める
PFAS血中濃度の基準値『1ミリリットルあたり20ナノグラム(ng/mL)』を大きく上回りました。

 

冒頭の阿部順子さんのPFAS血中濃度は138.9ng/ mL。

夫・直樹さん(47)は206.9ng/mL、13歳の息子も109.5ng/mLという結果がでました。

 

順子さんは2011年に息子を出産後、一家で東京から吉備中央町に移住しました。

以来、3人は水道水を飲み続けてきました。

 

血液検査ではPFASの数値意外は正常でしたが、これだけの数値だと健康への影響が出ないとは限らないと思います。お医者さんはPFASの健康への影響はわからないとおっしゃるけれど、私は移住してから流産が3回続き、なんでだろうと不思議に思っていた。息子は幼少期から水道水を飲んでいたので長期的な影響も心配です」

 


 

 

本誌では、PFAS水道水から検出マップや、解説が掲載されています。

 

I LOVE MAGAZINES!キャンペーン2024

 

 

定期購読すると、テーマに沿った『〇〇の秋』抽選でプレゼント!

 

期間中に新規で対象誌をご注文をいただいたお客さまから抽選で合計100名様に
グルメカタログギフトや、Fujisanギフト券、Amazonギフト券などが当たります!

毎回ご自宅へお届けしますので外出の必要はございません。

上のキャンペーン画像をタップして詳細をご覧ください!

この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。