20年ぶりとなる新紙幣の発行!38年ぶりに日本円の価値が低下するなか「元気を与える」か?

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今回、ジャーナリスト・岩田明子さんの
『38年ぶりに日本円の価値が低下するなか「元気を与える」か?』をピックアップします。

 

テーマ『新紙幣発行』

 

文:岩田明子

 

「日本経済に元気を与えることを期待したい」

 

7月3日、20年ぶりとなる新紙幣の発行に伴い、岸田首相は日銀本店でこう語った。

「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一に、津田塾大学創始者の津田梅子
血清療法を確立した北里柴三郎をあしらった新紙幣を求めて、各地の銀行には市民が行列を成したという。

パン屋では“お札パン”が売り出されるなど関連商品も続々と登場している。

 

野村総合研究所が「自動販売機やATMなどの新紙幣対応で1.6兆円の経済効果がある」と試算しているように、
「日本経済を元気にする」効果は確かにあるようだ。

 

初めて3Dホログラムを取り入れた新紙幣は、日本の技術の枠を極めた作品だ。

キャッシュレス化の進展で、“最後の新紙幣”になるとも噂されているが、
世界に誇れる紙幣と言って差し支えないだろう。

 

しかし、皮肉にも日本の現状は決して明るくない。

 

今回、1万円札の顔だけ40年ぶりに変わったが、対ドルで日本円は38年ぶりの安値水準にある。

岸田政権で40%以上も円の価値は低下した。

 

新紙幣に描かれた3人はいずれも明治時代に海を渡り、欧米の文化・技術を学んだが、
足元の日本では“内向き指向”が強まっている。

日本人留学者数(2022年)はコロナ禍前の半分にとどまっているのです。

 

振り返ると、前回改刷時の2004年は政治的な節目と言える年だった。

2002年に続く2度の電撃訪朝で当時の小泉純一郎首相が5人の拉致被害者を帰国させることに成功し、
“小泉旋風”を巻き起こしながら翌2005年の郵政解散選挙になだれ込んだ。

「自民党をぶっ壊す」と訴えた首相が、歴史的な与党圧勝に導いた。

 

同じく派閥解消を実現して旧来型の自民党政治を「ぶっ壊した」岸田首相はどうか?

支持率は低迷し、党内からも事実上の退陣要求の声が上がっているのは周知のとおりだ。

もはや“神風”でも起きない限り、20年前のような圧勝は期待できないだろうが……
せめて経済だけは元気にしてくれることを期待したい。

 


 

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