【手仕事と工芸】工藝店を営む夫婦の自宅『毎日を使い続け、道具も暮らしも美しく』

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手仕事で作られた道具や日本の民芸、世界の民芸。

フォークアートに囲まれた暮らしは、日々に潤いとゆとりと楽しさを与えてくれるもの。

&Premiumでは、ものづくりの背景に思いを寄せながら、
日常的に使い、あるいは飾り、生活を楽しんでいる3組の自宅を訪ねています。

今回は福岡市にある工藝店『工藝風向』の店主・高木崇雄さんと妻のしらべさんのご自宅をピックアップします。

 

毎日を使い続け、道具も暮らしも美しく

 

 

福岡市にある工藝店『工藝風向』の店主・高木崇雄さんと妻のしらべさん。

崇雄さんは、店を営む傍ら、柳宗悦と民藝運動を対象に近代工藝史を研究し、
現在は『民藝』誌の編集長を務めています。

 

二人の住まいは同じ市内の、小さな庭のあるマンション。

リノベーションした室内は、天井を抜き、鉄筋コンクリートの壁に障子窓や和室を備えた、シンプルな空間。

室内には二人にとって大事な品々が並んでいます。

 

崇雄さん「僕らはコレクターではないのでものを蒐集することはなく、自分の店で傷を見つけた器や、仕事仲間の店や作り手を訪ねた際に求めたものを使って暮らしているだけです。集まってしまったものもあるけれど、集めたわけではないというか」

 

しらべさん「街中での生活なので、暮らしのサイズ的にたくさんのものは必要ないと思っています。家には『作り手がわからないもの』『使わないもの』は置かないようにして、誰から受け取った、誰の仕事であるかを大切にして日々用いたいと考えています」

 

 

手仕事の魅力は同じ商品でも微妙に違って、一つひとつの表情があるところ。

だから選ぶ楽しみもあります。

 

崇雄さん曰く「手作業だから、どうしても汚れや傷は必然的に生まれます。焼き物だったら釉薬に泡ふくれがあったり、歪んだりしているものもありますけど、使い込めばそれも魅力です。吹き硝子に泡が入っているのだって、良い景色ですよね」

 

二人の店や家に並ぶのは、琉球張り子の豊永盛人や吹きガラスの石川昌浩、
からや窯の登川均、小代焼ふもと窯の井上尚之のものなど、ある程度限定された作り手の仕事。

付き合いを広げすぎないのは、
「少ない作り手と、長めにお付き合いをし、かつしっかり仕入れることで一人当たりになるべく多く支払いたい」
という思いがあるから。

 

一人の作り手や工房が1年間で作れる量には限度があるので、無理な仕入れはしたくない。

しらべさんは
「縁あって出会えた作り手を大事にする店でありたいから、しっかり仕入れてお渡ししたい、くらいの気持ちです」
といいます。

 

作り手を大事にすることは、その仕事を丁寧に扱うことでもあります。

家の中で手の届く場所に置き、毎日使い続けることは暮らしを育てることにつながると二人は考えます。

 

崇雄さん「器や道具は買ったときが一番美しいのではなく、日々使い続けるほどに美しくなるし、ひいては使う人の暮らしも美しく育っていくはずです。ともに時間を共有し、一緒に年を取りたいですね」

 


 

本誌では、他2組のご自宅も紹介しています。

 

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