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イスラームやヒンドゥー、キリスト教など、さまざまな影響を受けながら歴史を紡いできた東インドとバングラデシュ。
TRANSITでは、都市、地理・地形、残された遺跡から、各地の特徴をまとめています。

ガンジス川とブラマプトラ川の下流にあるデルタ一帯を占め、
インドの西ベンガル州とバングラデシュが含まれる、南アジア北東部の地域がベンガル地方。
そこに存在する宗教は、仏教、ヒンドゥー教、イスラーム、キリスト教。
支配者が変わるたびに異なる宗教が流入し、
ベンガル地方は多様な信仰が入り乱れる宗教のモザイク地域となり
そのどれもがベンガルの文化形成に大きな役割を果たしています。
今回はそれぞれの宗教の誕生や流入した際のストーリーを紹介します。
ベンガルをつくった宗教

【仏教:紀元前6世紀~】古代王国を統治する強大なツール
紀元前6世紀に誕生したマガダ王国から、前4世紀の古代帝国マウリヤ朝、
4世紀のグプタ朝、8世紀のパーラ朝まで、
仏教は現在のビハール州からベンガル地方を中心に展開した歴代王朝に庇護されました。
とくにマウリヤ朝第3代アショーカ王や、パーラ朝は仏教に深く帰依し、
パーラ朝の王家が寄進したビハール州のナーランダ・マハーヴィハーラやヴィクラマシーラ、
バングラデシュのパハルプール遺跡は古代王朝の栄華の賜物。
【ヒンドゥー教:11世紀末~】ベンガルアイデンティティの誕生
11世紀末から13世紀中頃、現在の西ベンガル州ノディア県にあたるノボディープなどを王都とする
セーナ朝が興り、王朝はヒンドゥー教を庇護。
セーナ朝のもとではジャヤデーヴァが著した
ヴィシュヌ派のサンスクリット宗教詩『ギータ・ゴーヴィンダ』(牛飼いの歌)をはじめ、
ヒンドゥー教から派生した文学・芸術が発展。
ベンガル語の源流とされ、バウルの歌謡伝承にも影響を与えたといわれる
宗教詩『チョルジャ・ギティ』もこの時期に生まれました。
【イスラーム:13世紀末~】ベンガルの一翼を担う巨大勢力
13世紀にイスラーム勢力がベンガル地方へ進出し、1576年にベンガルがムガール帝国の版図に入ると、
民衆宗教の世界では土着のヒンドゥー文化と習合したスーフィー聖者への信仰が広がりました。
スーフィー聖者は偶像崇拝を否定するイスラームと、多神教世界のヒンドゥー教の媒介者として活躍します。
国家と民衆社会のスーフィー、官民両サイドからの布教により、イスラームは着実にベンガルへ浸透し、
やがてそれがインド・パキスタンの分離独立に結びつきます。
【キリスト教:18世紀~】ベンガル人の精神文化を後押し
イギリス領インド帝国の首都がカルカッタに置かれ、
西洋世界から流入したキリスト教の思想や宣教活動はベンガル人を刺激しました。
西洋の近代文学とベンガル宗教文学を詩文学に融合させたラビンドラナート・タゴール、
シカゴ宗教会議でキリスト教文明に比肩するインド文明の精神性の高さを体現した
スワーミー・ヴィヴェーカーナンダなど、多彩な人材がベンガルから輩出。
マザー・テレサの活動もインド社会に影響を与えました。
本誌では、バングラデシュ、ベンガル地方の文化や宗教について特集しています!
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