日本のロケット開発の初期を知ることができる空前の一冊
★★★★★
2021年07月07日 HIROTAJIN 会社員
戦後初期のロケット開発からNロケットに至るまでの過程を、長らく三菱重工業でロケット開発に携わり続けた筆者の驚くべき緻密なメモをもとに書き起された大著である。当時その場で働いていなければわからない現場の光景や会議の状況が日時、実名入りで極めて丹念に記されており、読者も当日の開発現場にいるかのような錯覚にすら陥る。Nロケットの前段階、プラスチックロケットやSBロケットの現場詳細にも多くのページが割かれており、当時の現場の実態が本書によって明らかとなったほか、Nロケット導入にあたってのMHIとNASDA、米国の関係もリアルである。他方、当時の勤め先で起こる諸問題は現代のそれとまるで変わらない部分もあり、ロケット関係とはまったく異なる職種の自分に置き換えても身につまされる部分があった。その意味で、ロケットに関心があるべての方は必読の著であることはいうまでもなく、広くお勧めいしたい一冊である。
これが真実だ
★★★★★
2021年04月09日 36children 無職
Nロケットへの道は、日本の宇宙開発の初期段階における技術者の苦闘とよろこびを1技術者の体験から綴っただけでなく、表に出てこない開発の歴史を克明に記した貴重な記録です。感動しました。