【イギリスやニュージーランドならではのSDGs】環境を考えた「使い捨てない」布製クラッカー

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『クリスマス・クラッカー』は、ニュージーランドのクリスマスに欠かせません。

光沢がある紙製の筒で、引っ張ると中からプラスチック製のグッズが出てきます。

残念ながら使い捨てが前提です。

 
ウェスト・フリー・セレブレーションズ社は、筒を布製に、
グッズにはプラスチックを使わず国内産の魅力的なものに代え、ごみ削減に取り組みます。

 

なくしたくない文化と、なくさなければいけないゴミ

 

クリスマスディナーのテーブルで隣の人同士でクラッカーを引っ張り合うと、
パンという爆竹に似た音を立てて、筒から中身が現れます。

 

王冠やジョークが書かれた紙のほか、笛やトランプなどのミニサイズのおもちゃが出てきます。

ひとしきり遊べば十分というおもちゃは主にプラスチック製。

筒もラメなどの加工が施され、リサイクルできません。

 

イギリスでは1人あたり2.33個、合計約1億5400万個を消費。

ニュージーランドでは170万個のクラッカーを輸入しています。

 

近年環境問題への関心は高く、輸入数は減っています。

しかし、この伝統を失いたくないと思う人は多いです。

そこでウェスト・フリー・セレブレーションズ社のエマ・カニンガムさんに発案された『リクラッカー』が登場。

環境負荷を抑えつつ、伝統を守れると引っ張りだこです。

 

筒の部分はデジタルプリントで絵柄を印刷したコットンで作られています。

デジタルプリントにすることで、従来の方法よりも水の使用量が60%削減できます。

そして洗えば何度も使えます。

引っ張ると爆竹音がする仕組みは、試作を重ね、現在特許申請中だそうです。

 


 

クラッカーの中身は毎年変えているそうで、国内の小規模事業者の支援に繋がっていたり、
布地はアフガニスタンからの元難民の女性たちが縫製するなど新たな仕事の流れもできています。

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