「産みどきは自分で選びたい」自分で選ぶ『卵子凍結』という選択

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産みどきは自分で選びたい。

 

そんな女性たちの間で、将来の妊娠に備えて卵子を未受精のまま凍結する“卵子凍結”が注目されています。

そもそもどのような技術で、女性たちのライフスタイルをどのように変え得るのでしょうか。

卵子凍結という新たな選択について、考えるきっかけになりそうです。

 

卵子の元の卵母細胞は30代後半で大きく減少

 

産婦人科専門医・生殖医療専門医の船曳美也子先生によると

「女性は、卵巣の中に卵母細胞という卵子の元となる細胞を数百万個持って生まれます。

ほとんどは小さいまま、成長と共に自然に消滅。しかし初潮が始まると、一部の卵母細胞が大きくなり、その中から基本的に毎月1個が卵子に成長し、排卵します。

この排卵の出番が来るまで、卵母細胞は日々ダメージを受け、体の他の臓器と同様に老化していきます。結果、年齢を重ねると染色体などに異常が起こるのです」

 

卵子凍結は1999年に凍結法が発明され、可能となりました。

 

卵子凍結のフロー

 

医療法人オーク会では、次のような流れで卵子凍結を行います。

治療が始まるのは生理3日目から。

そこから採卵&凍結まではおよそ2週間ほどです。

 

(1)ウェブサイトから卵子凍結の申込み、まずはオンラインで診断

(2)クリニックへ。卵巣や子宮の様子をエコーで確認したり、血液検査でAMH値を測ることも

(3)生理3日目から、排卵誘発剤などを投薬

(4)1週間から10日間の間、何度かクリニックへ行き、卵胞の様子をチェック。

毎回、左右の卵巣それぞれ、何個の卵胞が大きくなっているか教えてもらいます。

育ち具合により、排卵日が決まります。

(5)排卵日。オーク会では静脈麻酔を使って施術するため、回復の時間を含めて4時間くらいの高速時間。

その日中に電話で何個の卵子が十分に成熟し凍結できたか告げられます。

(6)1週間後、オンライン診断で術後の様子を医師に伝える

 

体験者の声

 

「局所麻酔だと採卵は激痛で辛かった」と知人に教えてもらい、静脈麻酔での施術を選びました。

手術室に入って「麻酔打ちますよ」の声を聞いたと思ったら、即、意識はなくなります。

気づいたら回復室のベッドの上で、ナプキンに少し出血したあとがありましたが、特に痛みはなかったです。

ただ、排卵の日は静脈麻酔の影響か疲労感が強く、仕事をすることはできませんでした。

 

次の日は体調はすっかりいつも通りに戻りました。

凍結した卵子の写真を見た時は、なんだか神々しくて感激!

注射を自分で打つのがなかなか慣れなかったし、
排卵誘発剤の副作用で眠気との闘いの日々でしたが、頑張ってよかったと思いました。

 


 

本誌では、凍結を始める前に見ておきたいチェックや、ベストな年齢、費用なども掲載されています。

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