この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。
記事の有効期限以降は本誌は非公開となります。ご了承ください。
瓶ラムネ、でんぷんのり、ソフビ人形、蚊取り線香、棒きなこ。
男の隠れ家では、“懐かしい”と感じるモノをテーマに
そのはじまりから、それがどのように私たちの暮らしに定着していったのか、
そしてモノが生まれるリアルな現場の今と、そこで働く人たちの思いを綴っています。
今回はその中から、『でんぷんのり』を作る不易糊工業をピックアップします。
子どもでも安心、安全、腐らない!
でんぷんのり/不易糊工業
つぶらな瞳、黄色いフェイスに赤い帽子が目印のこの商品。
長年、でんぷんのりを製造してきた不易糊工業が『どうぶつのり』を発売したのは
昭和50年(1975年)のこと。
『かわいい容器で楽しい工作』をコンセプトに『フエキ糊どうぶつシリーズ』を発売。
以来、幼稚園や保育園、小学校の子どもたちに親しまれるロングセラーとなりました。
発売当初から変わらない姿に懐かしさを感じる大人も多く、今や幅広い層に人気の商品となっています。
その人気の秘密を探るべく、大阪府八尾氏にある不易糊工業の工場を訪ねました。
工場は昭和感が漂うノスタルジックな雰囲気。
企画開発室室長の渡辺哲也さんはこう話します。
「古いので皆さん驚かれますね。おそらく築100年以上は経っています」
でんぷんのりの製造工程はいたってシンプル。
まず、原料のでんぷん(食用コーンスターチ)と40度のお湯、ノウハウを生かした添加剤を混ぜ合わせます。
それをブレンダーに移してアルカリ水溶液を加えてこねると、粘りが出て私たちがよく知るペースト状に。
「ここに酸性水溶液を入れて中和さえるのですが、温度やでんぷんの状態を見て中和するタイミングを変えています」
シンプルですが、繊細な熟練の技も必要なのです。
その後、でんぷんのりは貯蔵タンクで約48時間、熟成されます。
こうして寝かせることで、使いやすい“ねばり”が生まれるのだといいます。
出来上がったでんぷんのりは貯蔵タンクからパイプを通り、次々に容器に詰められていきます。
黄色い容器が2階の倉庫から降りてきて、振動を加えられることで行儀良く並んでいく様は愛らしく
「か、かわいい…」と思わず見入ってしまいます。
でんぷんのりを注入された『どうぶつのり』は、ここから手作業で乾燥防止のための薄紙、そしてヘラが乗せられます。
最後に赤い帽子のフタをかぶせてもらって完成です。
子どもに安全を届けたい
ホルマリン無添加への挑戦
「フエキ糊はお子さまも安心して使えるのり、と自信を持って言えます」と
渡辺さんが断言んするには、明確な理由があります。
不易糊工業の前身である足立商店が、日本初の腐らないでんぷんのりを発明したのは明治時代。
当時は贅沢品でしたが、戦後、日本の復興と共に一般の人々に普及し、
特に学童の工作用としての需要が伸びていきます。
ところが昭和40年代後半、でんぷんのりを安定させるのに欠かせないホルマリンに発がん性のある疑いがあると指摘されるように。
「『子どもが使うからには、安心・安全なものにしなければならない』との思いから
この時すでにホルマリン無添加への研究をおこなっていた同社。
地道な試行錯誤を積み重ね、昭和61年(1986年)に
現在の食用コーンスターチを用いたホルマリン無添加のでんぷんのりが完成します!」
実に17年の月日を経て『安心』で『安全』なでんぷりんのりを実現させたのです。
いまだ変わらない人気と熱い支持を得ている『フエキ糊』。
その理由を渡辺さんに聞いてみると…
「一番は品質です。私たちは、安全なのりを世に送り出したいとの一心で開発してきました。安心安全を追求した品質の良さが浸透した結果、今も多くの方に愛される商品になったのだと思います」
蓄積されてきたノウハウを駆使し、これからも時代にふさわしい“新しい価値”を創造していきます。
本誌ではさらに、瓶ラムネ、ソフビ人形、蚊取り線香、棒きなこの製造工場とインタビューが掲載されています!
I LOVE MAGAZINES!キャンペーン2022
対象の雑誌が月額払い・年間購読が最大50%割引されたり、
定期購読で1,000円割引が適用されるギフト券コードを掲載中!
割引やプレゼント付きなど、800誌以上の雑誌が全てお得に購読できる大チャンスです♪
毎回ご自宅へお届けしますので外出の必要はございません。
この機会に、雑誌で楽しく充実したおうち時間を過ごしませんか?
『男の隠れ家』に関心のあるお客様へおすすめの『ライフスタイル誌』はコチラにあります!
この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。
記事の有効期限以降は本誌は非公開となります。ご了承ください。