【道具ではなく共同製作者】AIアート作家が語る『科学とアート』

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最近、「人間が描いた絵と見分けがつかない!」と話題になっている『AIアート』

その不思議な魅力に迫るため、子供の科学では、
AI技術を取り入れた斬新な作品で注目されているアーティスト・岸裕真さんにインタビューしています。

 

『AIアート』って何ですか?

 

『AIアート』とは、言葉の通り、AI(人工知能)の技術を用いて生み出されたイラストや芸術作品のことです。

2018年、世界から衝撃的なニュースが飛び込みました。

ニューヨークで開催されたオークションで、AIを用いて描いた肖像画が
43万2500ドル(当時のレートで約4900万円)で落札されたというのです。

この大事件の前後から、AIアートという新しい概念が世間の注目を集めるようになりました。

 

元々画像生成AIは、専門的な知識を持った一部の人にしか使えない技術でした。

岸さんが普段使用している『GAN(敵対的生成ネットワーク)』も研究者向けで、
一般の人が使うにはハードルが高い手法です。

 

しかし、今年に入ってから、『Midjourney』という、任意のテキストを入れるだけで
簡単に画像を生成できる人工知能アプリケーションが一般向けに公開。

同時期に、よく似たしくみの『Stable Diffusion』も無償公開され、
ソースコードもオープンにしたことで、さまざまなアプリケーションへと派生していきました。

 

こうした画像生成はアプリケーションは、日本でもすぐに受け入れられ、
SNSなどでAIを用いて描いたイラストを公開する人も増えています。

ロボットや人工知能が登場するアニメに日常的に慣れ親しんでいる日本人は
AIを用いてアート作品をつくることに抵抗が少ないのかもしれません。

 

科学とアートって相反するイメージなのですが……

 

「科学とアートは違う分野のものだと思われることもありますが、実はそうではありません。むしろ、アートは科学の発展とともに進化してきました」

 

わかりやすい例がカメラです。

 

「カメラが発明されたことによって、宗教画や肖像画を描くことを仕事にしていた当時の画家たちは、自らの存在を脅かされることとなりました。しかし、カメラによって、人間は本当は何を見ているか考え、『睡蓮』を描いたモネや『ひまわり』のゴッホといった印象派の画家が、写真には表現できない自然光や人間の心象風景にフォーカスを当てた作品を発表。当時は批判もありましたが、現代では高い評価を受けています」

 

AIもカメラと同様に、人間の想像力を刺激し、進化させてくれる存在になっていくと思う、と話す岸さん。

 

「私は現在、AIを用いてアート作品をつくっていますが、大学生になるまでは、ほとんどアートに触れていませんでした。科学は小さいころから大好きで、映画『サマーウォーズ』の影響を受け、AI研究の道へと進みました」

 

大学院で勉強していたころ、画像生成AIが話題になり、興味を持って研究を始めた後、
オークションのニュースを見て、岸さん自身もAIを使ったアート作品を作ってみたいと考え、
アーティストとしての活動をスタートさせたそうです。

 

「AIアートをつくっていておもしろいのは、よくも悪くも人間の常識が通用しないところです。自分では絶対に思いつかなかったイメージをAIが定時してくれることもたくさんあります。そのため、私はAIを『道具』ではなく『共同製作者』だと考えるようにしています。AIアートの世界では、思わぬ“未知との遭遇”を楽しむことができますよ!」

 

 

本誌では、AIが作品を生み出すしくみについて、お子さんでも理解しやすく解説されています。

 

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