【養老孟司×藤原正彦】世界一頭が良かった日本人は、なぜ「バカ」になったか

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日本の凋落が止まらない…。

凋落の原因のひとつには、日本人が「考える力」を失ったことがある、と2人の学者は語ります。

考える力を取り戻すには、何が必要なのでしょうか。

 

解剖学者・養老孟司氏と数学者・藤原正彦氏の対談を一部紹介します。

 

世界一頭が良かった日本人は
なぜ『バカ』になったか

 

 

「自立」の壁を乗り越えよう

 

養老:日本人の多くは、社会が欧米型の考えを受け入れる中で自分の立ち位置をどこに置くか、考えていません。島国で1000年以上やってきた日本人らしい日常システムを、明治維新と終戦で大きく変えてしまいました。

無批判に欧米のシステムを受け入れてしまったから、自分で根本から考えることができない。自分=日本人らしさを見失ってしまったために「自立」できなくなった。

応用もできないから、先が見えないと不安でたまらず、コロナ禍での混乱や健康不安をはじめ、多くの問題を悩んでしまうのです。

 

藤原:なぜ日本人は簡単に日常を変えてしまったのか。

背景には米国が世界を制覇し、アメリカニズムが世界を覆った歴史的な流れがあります。アメリカニズムとは「功利主義」であり、「論理的か・合理的か・効率的か」が価値判断の基準です。

 

1997年を、私は“魔の年”と呼んでいます。97年に日本ではインターネットが本格的に普及し始めました。多くの家庭がパソコンを備え、街の本屋が潰れ始めた。書店数は今や当時の3分の1ほどになってしまいました。

橋本龍太郎政権が消費税を5%に引き上げて、緊縮財政で世界史にのこる長いデフレに突入したのも97年です。やがてパソコンはスマートフォンに代わり、活字文化を衰退させていきました。

 

スマートフォンでは雑多な知識は入っても、考える基盤となる教養は身につかない。しかも、子どもがスマートフォンを一日中凝視していたら、実体験が積めません。友達と喧嘩をしたり、野球やサッカーに興じたり、恋愛したりね。私は片思いと失恋ばかりだったけど、実体験を通じて考える基盤ができていった。

スマートフォンのくだらない情報に圧倒されて、教養と実体験が乏しくなり、日本人は考えることをしなくなったのではないでしょうか。

 


 

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