ブリヂストンCEO・石橋秀一「タイヤを究めて、突き放す」

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破綻寸前だった米国子会社で培った危機対応力を武器に再成長へとかじを切るブリヂストンCEO・石橋秀一氏

就任早々、工場の4割閉鎖など痛みを伴う大規模な構造改革を打ち出しました。

環境が激変するタイヤ業界で盟主の座をどう守るのでしょうか。

日経ビジネス電子版のインタビューの一部を紹介します。

 

悪くなったらすぐに手を打つ

 

2022年12月期は連結売上高が初めて4兆円を超え、営業利益も4700億円と好業績となりそうです。

最終赤字となった就任1年目の2020年12月期から急回復した要因は何ですか。

 

やることとやらないことを明確にした結果が出てきています。

2020年3月の就任前から、冷静に事実をベースに過去を見直す作業を始めました。すると、2015年が売り上げのピークでその後はほぼ横ばいが続き、営業利益は毎年どんどん下がっていました。中期経営計画は全部達成できていません。抜本的に改革しないと、このままでは大変なことになると危機感を覚えました。

1988年に当社が米ファイアストンを買収した後、米国に行きましたが、そこで倒産の危機が2回ありました。買収当初、ファイアストンの最終損益は約500億円の赤字でしたから本当に修羅場でした。1日1億円以上の損失が出ているわけです。

2000年にはタイヤ650万本のリコール(回収・無償修理)があって同社は倒産寸前になりました。この間にチャプター11(日本の民事再生法に相当する米連邦破産法11条)の適用を3度考えました。そこでの実感から、悪くなったらすぐに手を打つ、というのが身に染み付いているんです

 

就任直後に3つの決意

 

どう動いたのですか。

 

就任直後に3つ決めました。

 

過去の課題に正面から向き合い、先送りにしないこと。

実行と結果にこだわること。

最後に、将来への布石を打つこと。

 

これらを同時にやると決めました。すると、やるべきこととやらないことが明確になりました。

 

例えば、かつては世界の各地域に権限を与え、分散型の経営体制を敷いていました。ところが結果として各地域が部分最適を追求し、世界最適が担保されないという弊害が生じていました。各地域のトップが地域と世界の両方の視点を組み合わせながら意思決定する体制に変えました」

 

防振ゴム事業などの譲渡、2023年までに世界に約160ある工場の約4割を閉鎖というのは思い切った決断です。

 

米国の屋根材事業、日本の防振ゴム事業と化成品事業をすべて譲渡しました。

計3000億円ぐらいの規模でした。日本の2事業は大赤字。米国の事業は黒字でしたが、先へ進むには投資が必要でした。我々が継続的に価値を生むということが本当にできるのかという視点で判断しました。

大赤字の事業は譲渡先を見つけるのは難しかったです。

結局、防振ゴムは中国の会社へ、化成品は投資ファンドに譲渡しました。

我々は1000億円以上の損失を出す一方、雇用の維持のほか、サプライヤーや顧客に対する責任は負っていただく形にしました。一定期間、当社がさまざまな支援をする取り決めにもなっています」

 


 

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