この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。
私たちの身体を巡る、神秘の物質“ホルモン”。
心と身体をコントロールする壮大なこのシステムは、
すべての生命活動に影響を与え、人生の豊かささえも左右してしまいます。
不思議なこの力の謎を解いて、ホルモンと手を組み生きていきましょう。
今回、kiitos.で特集されている『ホルモン』について紹介します。
身体がうまく機能するように働く物質・ホルモン
疲労感が抜けなかったり、眠りが浅く、途中覚醒してしまうなど
「なんだか調子がよくないな」と感じることが増えていたら、それはホルモンが原因かもしれません。
ホルモンについて解説するのはハーバード大学&ソルボンヌ大学 医学部客員教授、根来秀行先生です。
「身体には相互作用を持つふたつの制御機能があります。ひとつは心臓を鼓動させたり、呼吸を調節したりするなどの生理的機能を司る自律神経。
もうひとつがホルモンです。
ホルモンは、内分泌腺など身体のあちこちで生産され、血液に乗って循環し、身体がうまく機能するように働く物質。
私たちの身体は60兆個もの細胞でできているのですが、それらの細胞がバラバラに働くと全身の恒常性が崩れてしまいます。それを統制し、それぞれの細胞が元来持つ機能をキープしたうえで細胞の運転速度を調節し、制御している存在がホルモンです」
突然寒くなったり、または暑くなったりするなど体外で起こる変化もあれば、
何か嫌なことが怒ってイライラしてしまうなど、わたしたちを取り巻く環境は目まぐるしく変化するもの。
100種類以上も存在するホルモンは、それぞれ別の働きを持ち、
必要に応じて分泌されて体外・体内のあらゆる変化に対応し、ベストな心身を維持する能力を持っています。
「しかし、この素晴らしい機能は20歳を過ぎると年齢とともに低下していきます。必要以上にホルモンの機能が低下したりホルモンバランスが崩れると老化が進行し、病気にもなりやすくなるのです」
いきいきとした心と身体の最強のサポーターではあるものの、無限の存在ではないホルモン。
また、乱れやすいという弱点もあります。
ホルモンバランスの乱れのサイン
以下のチェックリストで当てはまるものがあれば、ホルモンバランスが乱れているかもしれません。
- 「性格が変わった」と言われる
- 睡眠が急に浅くなった
- 食欲が抑えられない
- 休みの日に人に会うのがおっくう
- 疲労感が抜けない
- 夜中にのどが乾く
- 生理不順
- なぜかやせてきた
- 楽しみが見出せない
- 普通にしているのに動悸がする
睡眠不足により体内時計が乱れ、暴飲暴食などを司る食欲系ホルモンに影響を与える場合も。
やる気の低下や疲労感は活動系ホルモンの異常の兆しに。
生理不順は女性ホルモンの乱れを気にしましょう。
のどの渇きは血糖値を下げるホルモンの働きが弱まっている可能性もあります。
ホルモンはさまざまなサインで危機を訴えかけてくるので、体調の変化に敏感になりましょう。
「そこで気にしていただきたいのが現在の睡眠状態です。眠りが浅かったり、途中で起きてしまうなど、睡眠障害がないか思い返してみてください」
睡眠には生活習慣が如実に現れるもの。
体内時計とリンクして働くホルモンには重要な働きを持つものが多いため、
生活リズムが乱れるとホルモンの働きも弱まってしまいます。
また、思考に左右されるホルモンも多数あることから、自分なりのストレス解消法を見つけたり、
生活習慣を見直すことで目には見えないホルモンを自らコントロールすることも可能です。
心と身体を操るホルモンの働きには、彩り豊かに生きるヒントが隠れています。
本誌ではさらに詳しくホルモンについて特集されています。
この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。