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膝を痛めた、足首をひねった、ふとももがつったなど登山でよく聞く体の痛みは
尽きることがない不安の種ですよね。
今号の山と溪谷では、登山者が抱えがちな痛みについて整形外科医にインタビュー。
それぞれの痛みの解説や、予防法、対処法なども語られています。
登山者が抱えがちな痛み
北アルプスの慈恵医大槍ヶ丘診療所で活動している整形外科医の柴田俊一先生はこう話します。
「燕岳や常念岳など、登山口から宿泊予定地までの間に山小屋がないような人気ルートでは、無理をして歩き続けた結果、膝痛、捻挫、靴ずれ、ももつりなど、下半身に痛みをきたす人が多い傾向にあるといえます。筋肉などの使いすぎが原因です」
痛みと一口で言っても、痛みが生じる箇所や痛みの程度は多岐にわたります。
痛みの種類も、腱や筋肉の使いすぎによる炎症や過去のケガによる組織の変形などによって起こる“慢性”的なもののほかに、
ぶつけた、ひねったという外傷を原因とする“急性”的なものもあり、
急性と慢性が組み合わさって発生する痛みもあります。
柴田先生いわく、ほとんどの痛みは予防でき、痛み出す前に気づくことも可能だといいます。
「まず、大切なことは登り始める前に自分の体調をチェックすることです。そして、不安のある部位があればサポーターなどで補強し、歩くコースに応じた必需品を用意します。
そして、歩きながら歩幅が狭くなってきた、脚の一部が熱を帯びてきた、休憩でしゃがんだときに立てなくなったといった場合は、使いすぎのサインです。そのまま疲労が蓄積されると痛みが生じる可能性があります。
トレッキングポールなどで体にかかる負担を軽減するか、パーティで行動していれば、荷物を減らすといった対策が必要です」
事前準備が9割!基本的な痛み予防メソッド
(1)身体のコンディションチェック
疲労感、睡眠の質、栄養状態、関節の可動域などを当日の出発前に確認しましょう。
状況によっては歩く距離を短くする、山行日数を減らすといった計画の見直しが必要な場合も。
少しでも不安があれば無理は禁物です。
(2)不安を感じる部位への準備による対策
体のコンディションチェックで気になる部位がある、
もしくは日頃から膝や足首といった下半身に不安を感じている場合は
具体的な対策を講じる必要があります。
軽量化と、道具による補助、補強の3つがポイントです。
(3)コースの状況把握と必需品の準備
これは登山中に起こりうるすべてのトラブルに対しても同じことがいえます。
前もってコースの状況を調べておき、身体にかかる負担や想定されるケガなどをイメージした上で、
必要な準備をそろえることが大切です。
本誌では膝痛、捻挫、足つりなどの予防と対処術が事細かく解説されています。
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