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都心にこだわらず、好きな場所に住み、自由に働く……。
そんな暮らしが現実味を帯びたのは、ここ数年の出来事です。
オフィスから離れて仕事をこなし、家族との時間を優先する。
そんな“当たり前”の生活を実践する人がさらに増えています。
『理想の暮らし』とはいったいどんなものなのでしょうか。
Penで紹介されている『理想の暮らしは、ここにある』から
ファッションデザイナーの相澤陽介さんの二拠点生活をピックアップします。
アトリエでの静かな日常が、想像力を呼び覚ます
軽井沢駅からクルマで約20分。
中軽井沢の国有林脇にひっそりと佇むアトリエで、
東京と軽井沢を往復する二拠点生活を始めたという、デザイナーの相澤陽介さん。
2006年にファッションブランド『White Mountaineering』をスタートし、
これまで世界的なブランドのデザインも多く手がけています。
多摩美術大学、東北芸術工科大学の客員教授も務めています。
「ホワイトマウンテニアリングという僕のブランドでは、都会でも自然を感じながら暮らすというコンセプトで服づくりをします。自分自身は都会で生活しているので、このブランドについて考えられるような人里離れた場所が、ずっと欲しいと思っていたんです」
アイスホッケーをしていた子どもの頃からしばしば訪れていた軽井沢には、
「漠然といいなという思いがあった」といいます。
2015年頃からアトリエを構える場所を探していましたが、購入までには至らず。
そんな相澤さんの背中を押したのはコロナ禍でした。
「コロナ禍以前は海外ブランドの仕事のため月に1、2回は出張がありました。だからこんな場所にアトリエを構えても『忙しくて行く機会なんてないだろう』と思っていました。
ところが、渡航が制限されて出張もほぼなくなった。ものづくりをする人間としては、この変化をポジティブに捉えないといけない。いまこそ生活に変化を与える時期だと考えて、アトリエの購入を決断しました」
五感にダイレクトに響く
ある意味で刺激が多い軽井沢
古くから避暑地として栄えた軽井沢には、いまも多くのアーティストやクリエイターたちが暮らします。
近所には美術館もあり、文化的にも豊かな場所です。
春から秋はテニスやゴルフ、冬にはスノーボードを楽しめます。
そんな軽井沢を相澤さんは大いに気に入っています。
「この町の伝統として、大人のための健全な遊び場があり、ワインショップも充実している。クルマで別荘地を眺めているだけでも楽しい。五感にダイレクトに響く、ある意味で刺激が多い町ですね」
21年の冬から二拠点生活を始め、訪れる頻度はほぼ毎週。
庭を眺めながら沈思黙考の時を過ごしたり、デザイン画を描いたり。
サンプルが出来上がるタイミングなら、それを着て焚き火をしたり、バイクで自然の中を走りながら、
ライディング中の服の機能をチェックしたりする。
「自分のなかで、服づくりの答え合わせをするときに来ることが多いですね。都会では得られない、自然にいるからこそ気づくファンクションを試すのに、軽井沢という場所がいいと思います」
本誌ではセカンドハウス、移住、新しい働き方についてさらに他の方にもインタビューしています。
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