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「世の中にはこんな人がいるんだ!」
「こんな考え方もあるんだ!」
本との出合いは、将来の夢が見つかったり、学びに目覚めたりするトリガーとなります。
驚きや発見、夢中になる体験をして、夢や目標が見つかれば、子どもは自分で走り始めます。
プレジデントファミリーが特集する、
『この夏、子どもたちが“一生モノの読書体験”をするためのブックガイド』をぜひお役立てください。
今回はJAXA宇宙飛行士の金井宣茂氏をつくった一冊を紹介します。
宇宙への一歩を後押ししてくれたジュール・ヴェルヌ
宇宙飛行士の金井さんはがまだ小学校に上がる前、
ご両親がすごく豪華な挿絵の入った本を買って、読み聞かせてくれました。
それがジュール・ヴェルヌの『海底二万里』。
最新鋭潜水艦ノーチラス号に乗って、世界中の海底を旅する冒険の物語です。
「私はこの物語がすっかり好きになり、親に何度も読み聞かせてくれるようにねだりました。親もあきれて『もう自分で読みなさい』と言われてしまったので、小3くらいからは自分で読むようになりました。
当時の私には読めない漢字もたくさんあって、かなり難しかったのですが、この本が私の科学に対する興味、ロマンに対する憧れの基礎となったことは間違いありません。
小学生の私にとっての“世界”とは、自分の住んでいる町くらい。でも、ノーチラス号の乗組員たちは国境のない世界中の海を冒険している。すごいなあ、と思いました」
金井さんはもともとインドア派の性格だそうですが、
33歳で宇宙飛行士の選抜に応募するという一歩を踏み出す勇気をくれたのは
冒険小説を読んでワクワクしていたときの自分の気持ちだといいます。
宇宙飛行士を続ける上で役に立った
柳生宗矩の『兵法家伝書』
宇宙への一歩を後押ししてくれたのがヴェルヌなら、
宇宙飛行士として生きていく心得の一つとなっているのが柳生宗矩の『兵法家伝書』だそうです。
「私は小学校の頃から、剣道や弓道、合気道、居合などの武道を続けてきたこともあり、高校時代には宮本武蔵の『五輪書』や『兵法家伝書』などの武道書を読んでいました。これらの本や武道を通じて学んできたことは、宇宙開発という最新技術の対極にあるようで、実は通じるところが多々あります。
武道を極めようとすれば、自分の内面を見つめ、心を磨く必要があります。一度ISS(国際宇宙ステーション)に乗り込んでしまえば半年間は閉じ込められ、分刻みのスケジュールで仕事をこなさなければいけません。そうした閉鎖環境でも心の平静を失わずに活動する宇宙飛行士にはしっかりとした内面世界が必要なのです。
また、武道には“残心”という考え方があります。相手から一本奪った後、喜んで気を抜いてしまうのではなく、心を残し、注意を残し、いつ何時も油断しない。これも宇宙飛行士にとって大切なことです。一つの仕事を終えたからといって気を緩めることはできません。常に非常事態に備えています。
そして人の和。ISS滞在期間中は7人のクルーとずっと一緒です。私は168日間、宇宙に滞在しましたが、もし、人間関係がこじれてしあうと、その間、気まずいままですし、何よりミッションに大きな悪影響が出ます。
マナーを守り、相手を貶めずにリスペクトし、敵をつくらない。『兵法家伝書』に書かれているこうした日本的、武道的な考え方は、私が宇宙飛行士として仕事を続けていくうえで、本当に役にたちました」
本誌では金井さんのインタビュー全文のほか、絵本作家・ヨシタケシンスケさんや
ヴァイオリニスト・廣津留すみれさんを作った一冊も紹介されています。
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