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自身の働き方を見直すために一時的に離職期間を設ける『キャリアブレイク』。
長年同じ環境かでキャリアを歩み続けてきたアラフォーのサラリーマンには通用するのでしょうか。
SPA!では、実際の経験者のキャリア育成術に迫っています。
度々空白期間を設けて自分と向き合うことで
マインドチェンジに成功
定年まで働き続けるマインドを染み込まされたサラリーマンにとって、
次が決まっていないのに会社を辞めるという選択肢は精神面、収入面からも本来はあり得ません。
ですが、あえてサラリーマン人生を一度リセットし、
時間をかけて自分と向き合うことで新たなビジョンを見つけるというケースもあります。
営業職として2年勤めた大手製薬会社を退職し、4年にわたり『無職』となった鈴木春雄さん(仮名・43歳)もその一人。
「原因は上司とのトラブル。『辞めさせない』と脅されるパワハラを受けたことも」
そこで鈴木さんは一度リセットした方がその後の人生に良いという判断を下しました。
「社内規定に“2週間以上の無断欠勤で懲戒免職”とあったので、これだと思いました」
鈴木さんは両親にも告げず、放浪の旅に出ました。
ですが、その逃走劇は長くは続きませんでした。
「両親から捜索願いを出されて、説得されて帰宅。職場はすでに退職扱いになっていました」
ここから鈴木さんの4年間の長い無職生活が始まります。
長い無職生活後、大手保険会社に就職
「自身でビジネスができるかもという理由で公認会計士の資格を取るため専門学校へ。ですが試験に3回落ちて士気が下がり、諦めました」
その間に取得した簿記検定資格を活かすため、就活を決意。
大手保険会社に就職しました。
「財務チームで決算業務など従事。前職と違って人間関係は良好でした。上司に『僕のキャリアで今のチームがベスト』と褒められた時は体に電流が走る喜びを感じました」
対話スキルアップのコーチングを受けたことが転機に
そんな鈴木さんに転機が訪れたのは38歳の時。
「不仲だった父に末期の膵臓がんが見つかって。今後は介護が必要になるのか、と絶望の中で受けたのがコーチングでした。コーチングとは話し手の内面に焦点を当てて『話を聴く』という対話スキルのこと。コーチに話を聞いてもらっているうちに『大切にしたい』『愛しい』など、父に対する真意に気がつきました」
これを機にコーチングを学び、40歳で米国CTI認定プロコーチ資格を取得。
1ヶ月間の語学留学にもチャレンジ。
帰国後は介護系企業に転職し、経理畑から研修講師へキャリアチェンジ。
入社2ヶ月後には結婚も。
順風満帆な生活が待っていると思いきや、直後に訪れたのはコロナ禍。
「研修は対面で行うので、仕事がなくなりました。そこで系列のグループホームの介護業務に志願しました」
経験したことのない業務の連続かつコロナ禍での緊迫したムードの中で、
自分の価値を見出せなくなった鈴木さんは、適応障害を発症。
未経験の仕事は予想以上にハード。
お年寄りにコロナをうつしたらという重荷も。
何より、本来の研修業務の目処がたたないことに不安が増し、体調に異変をきたすように。
正社員でなければいけないという固定概念を取り払う
2ヶ月の休養を経て、そのまま退職。
休養中は友人が開催する群馬県みなかみ朝のリトリートに参加。
「自然の中で自身を見つめ直すプログラム。自然との対話で“働くなら正社員”という固定概念が取り払われました」
その後、鈴木さんが選んだのは、外資系ヘルスケア企業でのコーチング業務です。
「契約社員でフルリモート。やりがいを感じていましたが、親会社の日本撤退で1年弱で退職を余儀なくされました」
そしてまた鈴木さんは半年間の休養期間に。
その間は、製薬会社時代の貯金と失業保険でまかなっていました。
「過去に長い休養期間を取った経験によって、2度目もポジティブに乗り越えられました」
コーチングの勉強を生かして講師業務に
鈴木さんは現在、フリーランスで企業の組織開発に関する講師業務に携わっています。
「メインのクライアントとは週24時間の労働条件で契約。これもコーチングの勉強を通して培った柔軟性だと思う」
幾多の転職を経て経験を積んだ鈴木さん。
キャリアチェンジはもとより、マインドもチェンジしたようです。
本誌では他にもキャリアブレイクで人生をより良くしている方達の体験談が掲載されています。
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