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『股関節』や『歩幅』について無頓着な方は多いのではないでしょうか。
股関節は、動きが鈍く歩幅が狭いと将来認知機能が低下しやすいこと、
片足立ちで靴下を履くのが辛くなったら股関節に何らかの異常が生じていること、
股関節が硬いと姿勢が乱れ活動量が減り、どんどん老け込むということを知っているでしょうか?
人生100年時代に居合わせたからには、あらゆる動作に関わる股関節を健やかに保つことが生活の質を上げる条件です。
とくに難しいテクニックや特別な身体能力はまったく必要ありません。
Tarzanでは、股関節について特集しています。
股関節を動かすと、認知機能が高まる!?
「股関節が固まりがちで歩くスピードが遅くなった」と感じている人はご用心。
歩幅が狭い人は広い人に比べて認知機能が衰えやすいという衝撃のエビデンスがあります。
研究を行ったのは国立環境研究所主任研究員の谷口優さん。
「歩く速度は歩幅と歩調で決まってきます。歩幅は一歩の広さで、歩調はリズムのようなもの。男女のカップルが一緒に歩いているとき、歩幅の大きな男性にスピードを合わせるため女性は歩調を上げています。歩幅×歩調=歩行速度という関係です」
この歩くスピードを決めるふたつの要素のうち、認知機能に関係しているのは歩幅の方だといいます。
その理由は歩幅が脳の多くの部分を使って調節されているから。
「歩調に関与しているのはおそらく小脳。一方、歩幅の調節部位は認知機能に関係する脳の部分とオーバーラップしていることが少しずつ分かってきました。運動野のある頭頂葉、注意や判断を司る前頭葉などが使われていると考えられています」
フラットなコンクリートの道では大きな歩幅で歩けますが、凸凹の未舗装の道では転ばないよう歩幅は小さくなります。
後ろから人に抜かされたら悔しいので自然と歩幅は広くなり、
お年寄りや小さな子どもが前を歩いていたら驚かさないよう歩幅は狭まる。
このようにさまざまな環境に合わせて歩幅はコントロールされています。
「歩幅が狭くなっていることに人はなかなか気づきにくい。また、歩幅が安定しているかどうかを近くすることは難しい。歩幅が不安定になり、狭い歩幅が多くなった後に、脳機能の低下がみられるケースが非常に多いのです」
谷口さんが高齢者を対象に行った4年間の追跡調査によると、
歩幅が65cm以上と広い人の認知機能低下リスクを1とした倍、
歩幅が狭い人は3.39倍にリスクが高まることが分かったそう。
これは、血液検査など他の多くの指標よりも認知機能との関連が深い数値だといいます。
歩幅が加齢で狭くなる
だから余力が必要
谷口さんが別の研究で加齢による歩幅の変化を調査して分かったことについてこう話します。
「どんな人でも加齢で歩幅は狭くなっていきます。歩幅が狭いという目安は65cm以上で、65歳以降の高齢期にこの歩幅を維持していれば認知症のリスクが最も低くなることがわかりました」
加齢によって差し引かれる分を考慮すると、40代男性の目標の歩幅は80cm程度。
以上のことを逆に考えてみて、
歩幅が狭ければ認知機能は低下することは分かりましたが、歩幅を広げれば認知機能はアップするのでしょうか?
「動作パフォーマンスを上げれば認知機能が高まるかというと、それはまた別問題。けれど歩幅を広げることに意味がないとも言い切れません」
と谷口さん。
この仮説を検証すべく、谷口さん監修のもと、NHKの番組が実際に効果を調べています。
被験者に65cmの歩幅を体得してもらい、1ヶ月生活してもらうという内容。
すると、約1ヶ月の介入でしたが、認知機能テストの成績が上がりました。
「漫然と歩いているときに使われなかった筋肉を意識的に使うことで、脳内で新たな神経回路が構築されたり、脳の血流が向上したと考えられます。驚きの結果ですが、将来的には歩幅を広げることが認知症治療に役立つ可能性はあると思っています」
あなたの股関節は大丈夫?
この記事を読んだ方は、ご自身の歩幅がどれくらいなのかきになりますよね。
簡単なチェック方法があります。
横断歩道の白線部分の幅は約45cmです。
足のサイズを25cmだとして、白線を踏まないで跨ぎ越せば、一歩の歩幅は70cm。
踏み出しと着地を5cmずつ広げ、白線を余裕で跨ぎ越せば80cmとなります。
普段白線も間のコンクリートもぐちゃぐちゃに踏んでいる方はまずチェックしてみてください。
そして、白線を越えるのが少々無理がある方は、今後意識して改善したほうがいいかもしれません。
本誌では股関節を整えた時のメリットと、股関節が整っているときのメリットなども紹介しています!
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