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愛される人の話し方は何が違うのでしょうか。
応援してもらえる人は、どんな言葉を使うのでしょうか。
PRESIDENTでは、大谷翔平選手を追い続ける現地のスポーツライター・斎藤庸裕さんに
『なぜ大谷翔平の話し方は、世界中の人を動かすのか』を聞きました。
話し方に人間性が出る
25歳にして、そんな考え方ができるのか。
大谷翔平選手の言葉に衝撃を受けたのは4年前のことでした。
彼の人柄をもっと知りたくて、「座右の銘はあるのですか?」と質問してみたところ、
大谷選手からは「ないですね」と答えが返ってきました。
その理由が、いかにも大谷選手らしくて、私の記憶に刻まれました。
「座右の銘も、そういう意味があれば、また逆の言葉もあるので。対義語ではないですけど、そういう言葉もある。そっちだけをフォーカスして捉えていくと、別の捉え方ができなくなるので」
その答えに私は驚き、また同時に深く納得しました。
前人未到の二刀流を成し遂げるうえで、とても重要な考え方なのかもしれないと感じたからです。
仮にピッチングに意識が偏ってしまえば、バッティングがおろそかになる。
反対にバッターとしての成績だけど追い求めれば、ピッチャーとしての練習がおざなりになってしまう。
片方に固執せずに、物事を多角的に捉える視座と絶妙なバランス感覚こそが、
ピッチングとバッティングという異なる2つを世界最高のレベルに進化させた要因なのではないでしょうか。
先入観を持たず、常識を打ち破る
謙虚でポジティブ、笑顔があふれる好青年。
そんな大谷選手はアメリカのファンからも愛されています。
大谷選手がメジャーリーグに挑戦した直後から取材を続けてきた私の第一印象もそうでした。
先入観を持たず、常識を打ち破る。
彼との出会いから5年過ぎてもその印象は変わりません。
WBC決勝前に大谷選手が発した
「憧れるのをやめましょう。今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」
という言葉も、高い目標に立ち向かうメンタルの強さが表れていました。
心から野球を楽しんで、頑張り続けている姿勢に勇気づけられる
ポジティブで、前向き。
失敗しても諦めずに挑戦し続ける。
ありきたりな表現かもしれませんし、口で言うのは簡単です。
しかし、それを体現し、継続することは、決して容易ではありません。
心が折れてしまいそうなシーズンでさえ、彼は決して立ち止まらなかった。
さらに不可能に思える目標にトライし、結果を出し続けている。
メジャーでは、一本のヒットを打つのも、一つのアウトを取るのも高度な技術が必要です。
大谷選手は、毎日毎日、世界最高峰のリーグで、チームの全体練習とは別に投打両方の練習をしています。
単純に2倍の時間を使うわけにはいきませんから、自分なりに工夫し、練習内容を凝縮させて162試合に備えている。
私たちが想像もできない努力が必要なはずです。
それを、彼は楽しそうに取り組んでいる。
野球に対してストイックなだけでなく、監督やコーチにもジョークを言うし、
チームメイトをいじったり、からかったりもする。
しかも自然体で、イヤ味がない。
そのギャップが愛される理由の一つだと感じます。
心から野球を楽しんで、頑張り続けている姿勢が、言葉ににじみ出る。
だから、指導者もチームメイトもファンも我々メディアも、自然に応援したくなる。
私自身、大谷選手の言葉に何度、勇気づけられたか……。
大谷選手本人は
「プレーする側としては、夢を与えようとか、元気を与えようみたいには考えていないので、そう受け取ってもらえたらうれしいなと思って毎日、頑張っています」
と語っています。
本誌では、大谷選手が苦しいときに何を話すのかも掲載されています。
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