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6800万年前から6600万年前の白亜紀末、北米大陸に君臨したティラノサウルス。
漢字では『暴君竜』と書かれるところからわかる通り、最強の恐竜だったと考えられています。
しかし、そもそもどこが、どんなふうに最強なのでしょうか?
他に最強な生き物はいなかったのでしょうか?
子供の科学では、筑波大学で恐竜を研究する田中康平先生が最新の研究結果を踏まえて解説しています。
ティラノサウルスの強さの理由『大きさ』
他の恐竜との戦いで体の大きさは有利!
まさに圧倒的な存在。
白亜紀末の北米大陸において、ティラノサウルスは最強中の最強の肉食恐竜だったのです。
ではどうしてティラノサウルスは頂点捕食者の地位を獲得できたのでしょうか。
この疑問に対して、田中先生は「まず注目すべきは体の大きさです」と語ります。
保存状態のいいティラノサウルスの有名な化石には『スー』『スタン』などのニックネームがつけられていて、
これまでに発掘された化石の中で最も大きいのは1991年にカナダのサスカチュワン州で発見された『スコッティ』です。
この化石をカナダのアルバータ大学の研究グループが詳しく調べたところ、
スコッティの体長は13mもあり、その体重は8.9tもあったと推定されています。
今いる陸上動物中で最大のアフリカゾウの1.5~2倍に相当する重さで、
ティラノサウルスがいかに大きな恐竜だったかがわかるでしょう。
ティラノサウルスの強さの理由『噛む力』
噛む力は人間の約100倍!
さらにティラノサウルスの力の強さでも他の恐竜の追随を許さなかったと考えられています。
ティラノサウルスほどの大きな恐竜になれば、獲物も決して小さくはないはずです。
その肉をかみ砕くのですから、当然、噛む力は相当強かったはず。
人間が奥歯でものを噛んだときの最大値が475~749N(ニュートン:力の大きさを示す単位)であるのに対して
ティラノサウルスの噛む力は8500~5万3700Nもあったと推定されています。
実に人間の11~110倍もの力で獲物を噛み砕くことができたというのです。
ティラノサウルスの強さの理由『嗅覚』
優れた嗅覚を持ち、暗い夜間でも獲物を探せた
体が大きく、力も強くても、感覚が劣っていては獲物を見つけられません。
その点、ティラノサウルスは「感覚器は鋭敏だったと考えられている」と田中先生は語ります。
「感覚に関わる器官は化石として残りにくい柔らかい組織ばかりです。脳などを直接研究することはできないのですが、脳が収められている頭骨を調べることでティラノサウルスは嗅覚が鋭敏だったことがわかっています」
病気の診断にも使われるCTスキャナーで
『獣脚類』(ティラノサウルスを含む恐竜のグループ)に分類されている恐竜の頭骨の化石を撮影。
コンピューター上で立体構造を再現した結果、脳が収められている空間の形から、
ティラノサウルスは『嗅球』と呼ばれる嗅覚をつかさどる部分が発達していたことが明らかになりました。
視覚がきかない真っ暗な夜間でも、嗅覚を頼りに獲物を探すことができたと考えられます。
本誌では、強さの理由:視覚や、ティラノサウルスが世変わった時代についても解説されています。
本文では漢字にふりがなが振ってあるため、親子でお読みいただけます。
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