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どこまでも透き通った美しい海、太陽を目いっぱい浴びて、鮮やかに、生き生きと育つ植物。
古くは琉球王国から引き継がれる音楽や工芸品、自然と共存し、敬意を払って造った建物や、
身近にあるものを工夫しつつ昇華させた独自の食文化も、沖縄の包容力、そして人々の逞しさあってのこと。
この地を訪れるたびに感じる特別な開放感は、背景にある物語を知るともっと強くなるはず。
世の中の価値観が変わりつつあるいまだからこそ、あらためて沖縄の神髄に触れる旅へ。
今号のフィガロジャポンでは、沖縄を特集しています。
そのなかから今回はゆったりと島時間を過ごせる『おこもり宿』をピックアップします。
バナナ畑の一棟貸し宿で自然に抱かれた滞在を
南城市『芭蕉の家』
琉球の始祖アマミキヨが降臨したとされる久高島や
世界遺産の斎場御嶽(せーふぁうたき)に近く、神聖な場所として知られる佐敷。
約200坪の実芭蕉(バナナ)の畑を切り拓いて造った一棟貸し宿は、木工作家・藤本健さんが手がけたもの。
約20年前に南城市に移住した藤本さんは、沖縄で伐採されたガジュマルやアカギを使って力強いうつわを作ります。
これまでもギャラリーや自宅を手がけてきましたが、
丈夫なスギの木を使って立てた芭蕉の家は景色を切り取った寝室と台所の大きな窓が特徴的です。
窓から迫力ある亜熱帯植物が覗き、室内にいても自然の余韻を楽しめます。
テラスでは、地元の人が祈りを捧げる場天御嶽(ばてんうたき)の豊かな森を眺められます。
自然の神秘的なエネルギーを五感で感じられる滞在になるはずです。
開放的なモダン建築で
心地よい自然の風を感じて
南城市『mui たびと風のうつわ』
沖縄の稲作発祥地と呼ばれる百名で、この地域の象徴である藁を塗り込んだ、
沖縄サンゴのピンクの漆喰壁が目を惹く建物。
囲炉裏のある共用スペースが独立した4棟の客室を繋ぎ、ひとつの集落のように仕立てた空間は、
グスクを中心に集落内の交流が生まれ、ゆいまーる(助け合い)精神が根付いてきた沖縄の農耕文化を思わせます。
また、設計を手がけたのは建築家・五十嵐敏恭さん、朝食のうつわは人気作家ナカムラケノシゴトさんなど
南城市に移住したクリエイターたちが繋がる場でもあります。
天井高7mの開放的な空間に吹き抜ける、心地よい自然の風を感じて過ごしたいですね。
草木が茂る亜熱帯の秘境でリュクスなおこもり
今帰仁村『マガチャバル オキナワ』
ホテル名は古の地名“曲茶原”に由来しています。
世界遺産『琉球王国のグスク及び関連遺産群』に含まれる今帰仁城跡。
昔、この付近の集落は城に献上する茶葉を栽培していて、
フクギ並木やハンタ道と呼ばれるかつての登城道が残り、歴史ある場所。
標高150mの丘に佇むマガチャバル オキナワは、
茶葉を育んだ風流な土地の物語に敬意を込めた『森との融合』を目指します。
東京ドーム約3個分という広大な土地には、レセプションやレストランを擁する本館と、11棟のヴィラが点在。
山の斜面に沿って建てたメゾネットタイプの各部屋は、
室内だけで最小135平方メートル、戦友敷地面積は500平方メートル、全棟温水プール付き。
ヤシの木やクロトン、センエンボクなど生き生きと茂る植物に囲まれたプールは、
鳥の声と虫の音しか聞こえません。
土と雨、草木が混じり合う亜熱帯の空気を私的空間で味わいたいですね。
本誌ではおこもり宿以外にも離島アクティビティや新たなレストランなども紹介されています。
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