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創業者の父から社長を引き継いだ後の業績不振を乗り越え、時価総額は1兆円を突破した『カプコン』。
パソコンを軸に据えたデジタル戦略の成功を追い風に、世界で販売を伸ばし続けています。
人気キャラクターを武器に不朽の知的財産(IP)戦略を目指します。
今回、日経ビジネス電子版では編集長が
カプコン社長(最高執行責任者)の辻元春弘氏にインタビューしています。
デジタル戦略が成功し
時価総額が10年で約10倍に
時価総額が10年で約10倍となり、1兆円を突破しました。
これだけの成長を遂げた要因は何でしょう。
「デジタル戦略の成果です。ゲームソフト流通の軸を店舗販売から、オンラインでのダウンロード販売にシフトしました。
最大の変化は、発売から時間がたった『旧作』に表れています。例えば、2017年に発売したホラーゲーム『バイオハザート7』は、23年3月期にもまだ120万本も売れています。
ゲームの販売では従来、米ウォルマートなどの流通大手が圧倒的な力を持っていました。彼らは商品棚の効率を重視し、高値で販売できる新作を優先してきました。当社の商品は売れても半年ぐらい。それが今では、恐らく10年ほどは続けて販売できるようになりました。
ゲームの開発費用はおおむね2年程度で償却されるため、3年目以降は売上高がほぼ、当社の利益になります。
10年ほど前、まさしくゲーム業界のビジネスが変わる時が来たと考え、当社はパソコン(PC)をメインプラットフォームに選び、デジタル販売への準備を始めました。この戦略が大正解でした」
新規市場を自力で開拓
なぜPCだったのでしょうか。
「ゲーム専用機は売れる国が限られます。一方、PCは幅広い国々、新興国でも普及しています。PC向けのデジタル販売のプラットフォーム『Steam』を利用して、旧作を少しずつ値下げすることで、販売が伸びるのです。地域別では南米などが非常に成長しています。
かつて、商社マンが世界でさまざまな商品の販路を開拓していったように、僕たちもPCという領域では自ら世界市場を開拓していく必要があります。今まで市場開拓はゲーム機メーカーのビジネスでしたが、そこが変わりました。
注目する市場の一つがインドです。社員を派遣して市場調査しましたが、驚くべきことに彼らはゲームをしない。『ゲームは悪者』という古い価値観が残っているためです。しかし、今の大学生世代がこれから5~10年たてばゲームユーザーになる。彼らに向けてブランディングしていこうと考えています」

本誌では、インタビューの続きや、カプコンの『背水の逆転劇』の記事をお読みいただけます。
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