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「これさえあれば何も要らない」と思える究極のたまご料理を自分でつくれたら
どれだけ人生が豊かになるでしょうか。
dancyuでは、銀座『ラフィナージュ』高良康之シェフが指南する
『一生、極上な朝を迎えられるたまご料理』のレシピを紹介しています。
一生、極上な朝を迎えられるたまご料理
朝の活力源であるたまご料理を、自らの手で最上級の美味へと昇華できたらどんなに幸せでしょうか。
となれば、フレンチの達人で火入れの名手、銀座『ラフィナージュ』の高良康之シェフに教えてもらいましょう!
「僕の料理人としてのキャリアはホテル時代、数百個のたまごと格闘するところから始まりました。毎日、20種以上の目玉焼きの注文を焼き分け、数えきれないほどのオムレツを巻いてきました。たまごならお任せください」
今回本誌で紹介しているのは、目玉焼き、ポーチドエッグ、スクランブルエッグ、オムレツという定番の4品。
オーダーは『一生、極上な朝を迎えられるたまご料理』です。
「シンプルゆえにプロでも扱うのが難しい素材ですが、ポイントさえ押さえれば、別次元のおいしさになります」
今回は4つの中から『スクランブルエッグ』のレシピを紹介。
スクランブルエッグ
ふわりと軽く、それでいて濃厚。
クリーミーでありながら、たまごらしい食感も感じられます。
そんな奇跡は家でも実現できるのでしょうか?
高良シェフ「ポイントは生クリームを加熱しておくこと」
生クリームとバターを入れた小鍋を火にかけて沸騰させ、冷たい卵に加えてハンドミキサーで泡立てます。
凝固しない程度に温められた卵液に気泡を抱かせることで、ふわとろな仕上がりへの最短ルートが開けるといいます。
「温かい卵液は、すでに軽くとろみがついた状態。全体に気泡を含ませてから加熱することで熱がゆっくり伝わり、クリーミーな仕上がりになります」
そこから火にかけた鍋の底をこそげるように混ぜ続けます。
時折火から外しながら撹拌すると、とろとろのクリームの中にたまごの粒が出現。
火からおろしたら10mlの生クリームを投入。
余熱を止めつつ、みずみずしい生乳の風味を加えることで、軽快かつ濃厚な仕上がりを得ます。
この多層的な味わいは舌にのせなければわかりません。
極上という言葉でも足りません。
このスクランブルエッグは、朝食の奇跡です。
【材料】
卵、生クリーム、バター(食塩不使用)、塩
詳しい分量はこちらからご覧いただけます。
【作り方】
(1)鍋に生クリーム60mlとバター、塩を入れて、弱火にかけます。
しっかりとしたコクを出すため生クリームを使うこと。
牛乳だとコクがやや足りません。
(2)卵はボウルに割り入れます。
生クリームが沸騰してバターが完全に溶けたら、ボウルに加えます。
(3)ハンドミキサーで、空気を入れ込むように軽く泡立てます。
卵液に入った無数の気泡がフライパンとの緩衝材となり、みずみずしい、なめらかな仕上がりになります。
(4)鍋に移し入れ、弱火にかけます。
ゴムベラで、鍋を揺すりながら鍋底からよく混ぜます。
時々火からおろしながら、鍋の縁についた卵液をゴムベラでこそげます。
(5)全体がもったりとしてくるまで混ぜ続けます。
ゴムベラで鍋底をこそげたときに“卵の道”がしっかり確認できるようになったら火を止めます。
(6)仕上げの生クリーム10mlを加えたら、もう一度全体をしっかりかき混ぜます。
仕上げに生クリームを加えることで余熱が穏やかになり、コクがたっぷりありながら、軽やかな口当たりになり、できあがり!
本誌では、目玉焼き、ポーチドエッグ、オムレツのレシピも掲載されています。
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