《2030年をつくる人》三井物産『強い個』つくるため、情報開示を徹底

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人的資本経営の重要性が叫ばれる中、人材戦略でポイントとなる施策は何なのでしょうか。

日経ビジネス電子版にて掲載されている、人事トップに聞くシリーズにて
今回浮かび上がったキーワードは『個人の自律』です。

従業員一人ひとりが「なりたい自分」に向かって動く仕組みづくりが肝になってきます。

 

今回、三井物産、専務執行役員 人事総務部長 平林義規氏のインタビューをピックアップします。

 

『強い個』つくるため、情報開示を徹底

 

企業価値向上に向け、
「強い『個』の育成」「インクルージョン(包摂)」「戦略的適材配置」の3つを
人材戦略の柱にしています。

人材戦略をどう進化させていますか。

 

「『個を大事にする』という骨子の部分は創業時から大きく変わっていません。『人が仕事をつくり、仕事が人を磨く』というのも以前から唱えてきた概念です。その個が活躍できる風土づくりとして掲げているのが『自由闊達』やインクルージョンで、最近の心理的安全性という言葉に通じます。活躍の場面を適所適材で提供していくというのも変わらない骨子です。

もちろん、時代と共に変えていく部分も当然あります。競争力のある人材プールを海外人材にも広げていくため、グローバルなタレントマネジメントシステム『Bloom(ブルーム)』の導入を進めています。これまで適所適材の対象は日本で採用された社員に限定されがちでした。2022年10月に東アジアや韓国、東南アジア、南西アジア諸国でシステムの稼働を始めました。今後は4月に北米や南米、欧州、中東・アフリカが入り、12月に日本を加えてグローバルで稼働する予定です」

 

『ブルーム』の仕組みについて詳しく教えてください。

 

東京で採用された社員約6000人と、海外採用の約3000人のデータを同じデータベース上で管理するシステムです。現在、(金属資源や食料など)16の事業本部があり、それぞれに人事の責任者を置いています。

三井物産は商品の営業のプロに加え、財務・法務など各分野のプロの育成を重要視してきました。人事責任者がグローバルのどこにどういった専門的な人材がいて、次のキャリアとしてどこが適当か、全体の商品戦略を考慮しながら人材の異動戦略を作っていきます。

これまではその対象者が日本で採用された社員でしたが、今後は海外の現地法人で採用された人も対象になります。採用地や属性を問わず、機動的に人を配置することが可能になります」

 

少ない女性の採用に課題

 

「商社は仕事の領域が多岐に及ぶため、1つの領域を極めた上で、専門をさらに広げることができます。また、常にグローバルを土俵に事業を考え、いろいろな拠点で活躍できる。そういう働き方を求めている人にとって、三井物産での仕事は金銭的な報酬だけにとどまらない価値があります

 

商品のプロ育成という話がありましたが、商社といえば縦割りの部門ごとに
キャリアが固定化されるイメージがありました。

 

「相当昔からそういった部分は払拭されていて、実際には個々の社員のやりたいことが優先されています。『人事ブリテンボード制度』があり、社員自らが希望して部門を超えて新しい職務に挑戦することを後押ししています。

社内求人とのマッチングが4回開催され、1回当たりや約100超のポストがあります。2023年3月期は56人がこの制度を活用し、社員が自分の意思で異動しています。

一方で、新卒採用で女性の応募が少ないという課題は持っています。新卒採用の応募者の女性比率は(業務職を入れて)4割とまだ少ない。単体の女性管理職比率は8.5%と国内企業の平均(10%超)よりも低い状況です。

いろいろなアプローチや工夫が必要ということで、7月から新たな人事制度を導入することも発表しました。原則3年ごとに日本国内x海外への『転勤あり』『転勤なし』を本人が選べるようにしました。

国内で採用された非管理職と、一部の管理職が対象で、三井物産社員の約65%にあたります。ライフイベントの変化に応じて、キャリア設計できるような体制を整えます」

 


 

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