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多くの登山者を悩ませる『膝痛』。
今号の山と溪谷では、その原因と改善策について、
登山ガイドで健康運動指導士の芳須勲さんが解説しています。
膝痛は歩いて治そう!
日常生活では体に目立った不調はないものの、山で長い距離を歩いたときや、
急勾配の道を下っているとき、膝の痛みに悩まされた経験をもつ登山者は多いのではないでしょうか。
ひとたび膝の痛みが強くなると、一歩一歩を踏み出すことがつらくなり、
せっかくの登山が楽しめないばかりか、苦行のようになってしまいます。
山を登り下りすると、なぜ膝の痛みが出てしまうのでしょうか。
その原因について、登山ガイドで健康運動指導士でもある芳須勲さんは次のように教えてくれました。
「関節内の半月板や靱帯の損傷、あるいは変形性膝関節症など、日常生活にも支障をきたす器質的な問題がある場合を除き、登山で感じる膝の痛みの多くは『筋力』よりも『負荷』が勝っていることが原因になっています。
過度な負荷がかかり、下半身の筋肉がオーバーユース状態になることで、膝周辺の靱帯や駕足(がそく:薄筋などの3つの腱が脛骨に付着している部分)に炎症が起きて痛みが生じるのです」
登山は山を『歩く』運動ですが、平地を歩くことに比べて、体にはかなり大きな負担がかっています。
坂道や段差を上り下りしなければならないし、荷物を背負い、歩行時間や距離も長い。
舗装されていない不整地を歩くことは、バランスを保持するために
知らず知らずのうちに全身の筋肉を使い続けることになります。
日常生活では問題なく過ごせていても、山を歩き、さまざまな負荷にさらされることで
膝痛などの身体トラブルに見舞われてしまうのです。
では、どうすれば膝の痛みを改善することができるのでしょうか。
基本的な考え方は極めてシンプルです。
「現場の筋力に比べて負荷が大きすぎることが原因なので、筋力を向上させるか、負荷を減らして、両者の均衡を取れば膝痛の改善もできるはずです」
芳須さんのこの考え方に基づき、
本特特集でも1部『筋力の向上』、2部『負荷の軽減』をテーマとして
それぞれのノウハウを紹介しています。
今回はそちらから、『登山時に行いたい、膝痛予防&対処術』をピックアップします。
登山時に行いたい、膝痛予防&対処術
登山の前にゆっくり体を温めよう
登山の前の準備として、なにをすればいいのかというと、『体を温めること』。
つまりウォームアップです。
「膝に限らずですが、体を温めると、動くための神経の伝達がよくなってバランスもとりやすくなります。筋肉にしても冷えて固まった状態では傷めやすいので、温めて柔らかくしておきたいですね」
無理のない範囲でゆっくりと体を温めれば、
膝と痛みに関連する周囲の筋肉の準備も整っていきます。
徐々に温まってきたことを実感しながら行うことが大切なのだそう。
体を温める方法を5つのステップにて紹介します。
(1)さする
膝、ふくらはぎ、太ももなどをさすることで血流を促進。
ゴシゴシせず、なでる程度に。
ウェアの上からでOK。
車や電車での移動中にもできます。
(2)ストレッチ
「伸ばすぞ」ではなく、動く前にこわばった筋肉をほぐす気持ちで。
足首から腰回りまで、それぞれ15秒を目安に。
(3)足踏み
その場で足踏みして、足腰をほぐしながら体温を上げていく。
バンバン踏みすめるのではなく、リズミカルに、姿勢良く行いましょう。
(4)ラジオ体操
全身を大きく動かして温める動的ストレッチ。
ポピュラーなメニューですが、意外と負荷が高いので、年齢や体力に応じて取り入れましょう。
(5)ゆっくり歩きはじめる
意識して本当にゆっくりと。
歩き始めは息が上がらない程度に抑えましょう。
心肺への負荷を徐々に増やしていく面でも有効です。
本誌では普段できるストレッチや筋肉トレーニング、そして負荷を減らす方法なども紹介しています。
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