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高齢者施設に入居中の親に久しぶりに会いにいったら
以前より反応が遅く、なんだか認知症が進んだような気がする……。
声かけを絶やさず、おいしい食事や入浴でケアを丁寧にしてほしい。
そんなふうに職員に相談したいけれど、どこまで言ってよいのかわからない。
施設職員との付き合い方は難しいもの。
サンデー毎日では、介護アドバイザーの髙口光子さんが
介護施設スタッフに家族を大切にしてもらう秘訣を解説しています。
預けている身としては
強気には出られない
「父をもっと、お風呂に入れてもらいたくて。せめて週2回……」
こう嘆くのは、老健(介護老人保健施設)に父親を預けている55歳の女性です。
頻繁に洗濯物も届けています。
父親は入浴が何よりの楽しみなのだといいます。
「今のところ週1回。『今日は入れるの?』って、職員に聞くけど、いつも『ごめん』って言われるらしくて」
一般的に、施設での入浴は週に2回。
この女性の父が入所するところでは職員不足のため、回数をやむなく減らしているようです。
父親のためにも本当はお願いしたいところですが、職員には言っていないといいます。
「私から話したところで、何も変わらない気がして」
諦めている状態。
入居まもなく、父親から「食事量が足りないんだ」と聞き、
「少し増やしてもらえませんか」とケアマネージャーに相談したことがあるそう。
しかし「カロリー的に計算してちょうど良い量になっている」と却下されました。
「なんかあれ以来、施設とのやりとりは、受け身になりました。ああ、ここにはもう何を言ってもダメなんだわ、と悲しくなりました」
その後、担当者が代わったことで、食事量は増えました。
入浴に関しては、しばらく様子を見て、
それでも変わらなければ「施設にある意見箱に書いてみようかな」とのこと。
職員への要望の伝え方は難しいもの。
両親を施設(父親は有料老人ホーム、母親は療養型病院)に預けている本記事の筆者(55歳)も常に悩んでいます。
正直にいえば、預けている身としては、強気には出られません。
以前、別の施設に母が入所している時、生活相談員から「じゃ、ご自宅で看たらどうですか」と言われたことがあるからです。
厚手の靴下をはかせてほしい。
ラジオをつけてほしい。
頻繁に日々の様子を教えてほしい。
それぐらいだったのに、「そんなことを言うならば在宅で看ればどうでしょうか」とひんやりと言われたのでした。
そこはほどなくして退去することに。
介護ケアを職員と一緒に作る意識

30年以上介護の現場にいた介護アドバイザーの髙口光子さんはこう話します。
「要望は、全然言っていいんです。むしろ言うべき。親のために良い介護を求め、職員には少々やかましいと思われても発言し、求める。そして達成できたら共に喜び、『親のための介護を職員と一緒に作っていく』という意思を示す。
こういった良い介護を求めるという純粋な姿勢が、間接的に悪い施設サービスを淘汰すると思う。責めたり脅かしたりするような言い方ではなく、素直に相談する。
家族が正しい介護を望まないと、介護施設は変わらないですよ」
実際に要求の多い家族に対応した経験も多々あります。
「爪はちゃんと切られているか。髭はそってあるかをいつも確認したり、屈んでベッド下に埃がないかと、懐中電灯でチェックしたりするご家族の方もいました。初めてそれを見た時は驚きましたが、職員たちは彼らが面会に来るとき、気が引き締まりましたよ(笑)」
髙口さんのように前向きにとるか、それを「過剰な要求」ととるかは施設によるでしょう。
ただ、高口さんは「それでも言った方がいい」と強く言います。
「差し入れをしたければ持って行く。なるべく食べさせてほしい、とお願いする。同じ洋服を着続けることなく、着替えもしっかりしてくださいと伝えるなど、主張して当然です。そして満足のいくサービスをしてもらえた時は感謝し褒め言葉を添える。
さらに私がご家族の方々に提案したいのは、『オムツをずっと着用させるのではなくトイレ誘導をしてほしい』『一人一人にあった入浴法や食事介助をしてほしい』と、そう踏み込んで言ってほしい。それに応えることで、施設が良くなっていくからです」
施設に不満を感じてもすぐに退去を考えずに、一定の努力はすべきだと言います。
一定の努力とは何でしょうか。
本誌では、記事の続きをお読みいただけます。
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