長澤まさみ「自分の感情と向き合い、しっかり言葉にして相手に伝えていくことが大切」

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結婚を控えた精神科医・藤代俊の婚約者が、突然失踪ー。

 

映画『四月になれば彼女は』で長澤さんが演じるのは、婚約者の坂本弥生。

彼女が抱える複雑な思いは見る人の心に静かに刺さります。

 

日経ウーマンでは、長澤まさみさんがインタビューに答えています。

 

映画『四月になれば彼女は』あらすじ

 

4月。

精神科医の藤代俊に、かつての恋人・伊予田春から10年前の初恋の記憶を綴った手紙が、ウユニ塩湖から届く。

その後も世界各地から春の手紙が届いた。

その頃、俊は婚約者の坂本弥生と結婚準備をしていたが、俊にある謎かけを残して、弥生は姿を消す。

 

「愛を終わらせない方法は何か」

 

 

「弥生の行動は、未来や愛することへの不安があるからこそ。難しい役でしたが、余計なことを考えずに芝居と向き合ううちに削ぎ落とされていき、弥生という人物像が見えてきた気がします。必死に生きて、愛するからこその共感が散らばっているラブストーリーです」

 

「愛を終わらせない方法は何か」

 

劇中で弥生が残した謎かけにはドキッとさせられます。

パートナーとお互いへの愛の量が等しくあるにはどうしたらいいのでしょうか。

美しい映像を見ながら考えさせられます。

 

夫婦や恋人同士がお互いに同じくらいの愛の量を保つには、やはり話し合うことが大切なのだと感じる瞬間が、演じていて多くありました。

仕事でも同じで、察する、気を使う、けんかをするのではなく、言葉を交わしていくこと。そのなかでお互いが変われる部分はたくさんある気がします。そう言う私自身は伝え下手ですが、時間に頼るのではなく、きちんと言葉でつつあえていきたいと考えさせられました」

 

やっと芝居を楽しむ余裕が持てるようになった

 

今作で初の長編となった山田智和監督は長澤さんと同い年。

若い世代との現場が増えるなか、仕事への関わり方も考えさせられることがあったそう。

 

かつては大人が導いてくれて、準備が整った場所に思い切って飛び込んでいましたが、今は、皆がゼロから一緒に作品作りをする感覚がすごく面白くて。仕事では自己満足に陥りたくはないので、見てくださる方に楽しんでもらうことをゴールにしながら、挑戦の日々です」

 

「芝居が楽しめるようになるといいですね」

 

かつてある俳優に言われた言葉が心に残っているという長澤さん。

今、やっとその境地に近づけた感覚があるそう。

 

「20代の頃は、仕事=大変なことで、楽しむ余裕がないなかでも目の前で起きていることを面白がってみると、新しい感覚や気持ちの余白が生まれてくる気がします。仕事でもプライベートでも、自分のうれしい、楽しい感情を解放できる時間を持てるといいですね。そして、何事にもしなやかに向き合えるようになれたら」

 


 

本誌では、長澤さんのマイルールや、健康について意識していることなどについても語っています。

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