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開幕前、これほどまでの活躍を予想したファンはどれだけいたでしょうか。
大谷選手をはじめ、MLBの強打者たちを相手に三振の山を築く、今永昇太選手の秘密を
週刊ポストでは、MLBに精通する専門家が徹底的に解説しています。
高回転ストレートで三振を量産

今シーズンからシカゴ・カブスでプレーする今永昇太選手(30)の快進撃には驚くばかりです。
4月はデビューから無傷の4連勝を飾り、勝利数はMLB1位タイ、防御率0.98はMLB2位。
MLB公式記録によれば、この「デビュー5試合で4勝0敗以上での防御率1.00未満」は、
MLB79年ぶりの快挙となりました。
横浜ベイスターズでコーチ経験がある杉本正氏も驚きを隠せません。
「WBCでの好投(計6イニングを投げ7奪三振)はあったが、ストレートでこれほど空振り三振が取れるとは予想していなかった。ややでき過ぎかもしれないが、MLBではめずらしい左のスプリッターというのが大きいのではないか」
NPBでは8年間で64勝を挙げ、通算防御率3.18の数字を残しています。
22年位はノーヒットノーランも達成するなど実績を残したものの、
メジャーでこれほどすぐに活躍するとは予想外でした。
平均190cm近いメジャーの先発投手の中で今永選手は178cmとかなり小柄。
ストレート(フォーシーム)の平均球速も148km(23年NPB)と遅い部類に入ります。
これまでMLBで実績を残した大谷翔平やダルビッシュ有、黒田博樹ら大柄の本格派とは明らかに違うタイプですが、
並みいる強打者をストレートで迎え込めるのはなぜなのでしょうか。
横浜、ソフトバンク、ヤクルトでプレーし、
史上2人目のセパ両リーグで首位打者に輝いた内川聖一氏の目にはこう映ります。
「活躍の原因はいくつかある。メジャー球や固いマウンドへの順応力もさることながら、意識して高めのストレートを投げ込んでいることで、持ち球であるすべての球種が生きてくる。
加えて、メジャー野球の特徴にじつにうまくフィットしている。メジャーのバッターのトレンドは低めに沈むツーシームやシンカー系のボールに対し、いかにしてフライやライナーを打つか。そのためバットのヘッドを下げながら手首を返さないようにバットを出そうとする。
これに対し、今永投手の高めのストレートは回転数が多いためにバッターの予測よりも落ちず水平に近い角度でベース上を通り、バットの軌道と接点がなく空振りさせるシーンが多い」
ストレートで回転数が多いと、ボールに揚力がかかり、伸びのあるボールになるとされます。
昨シーズンのMLB平均は毎分2234回転。
今永選手は2400回転台を記録しており、昨年のエンゼルスの大谷翔平選手の平均2260回転より多い。
内川氏「スピードも大切な要素だが、バッターが打ちやすいのはすべての球種の回転数が平均的なピッチャー。バッターの予測通りのボールが来るからです。それに対し、今永投手はストレートの回転数と変化球の回転数の差が大きい。そのためストレートは球速より速く感じ、より変化球が意識されることになる」
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