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今号のdancyuは、『驚くほど旨いパン2024』をテーマにパンを大特集!
若き職人がつくる新しいパン屋を10軒紹介したり、お酒の肴にできるパンも紹介。
今回は、酒を呼ぶ『練り込みパン』のたむらパンをピックアップします。
早朝から行列のパン店は午後からパン呑みスポットに
門前仲町の裏通りにある、『たむらパン』の引き戸は一日に2度開きます。
一度目は朝7時30分。
引き戸の向こうの店内には角食やカンパーニュ、惣菜パン、菓子パンなど
約30種、200個以上が所狭しと並べられ、朝に似つかわしい、香ばしい匂いが流れ来ます。
カウンターに整然と並んだ角食はもっちりふんわりとした食感で、噛むほどに小麦が香ります。
手前のトレーには“しらすバジル”、“トムヤムパクチー”などの独創的な具材が練り込まれた惣菜パンがずらり。
鮮烈な味わいの具材はサクモチッとした優しいバゲット生地と美しく調和し、
ひと噛みで楽しく、噛むほどに味が深くなっていきます。
山と積まれたパンは昼には売り切れるものの、午後3時には“パン呑み”という次なる桃源郷の扉が開かれます。
販売用のパン台だったアンティークの机はカウンター席に早変わり。
軒下にもテラス席が出現し、地元民がひょいと覗いては、パン呑みを嗜んでいきます。
平皿にはカットされたパンが約10種類。
一口サイズの角食や惣菜パンがひしめき合います。
脇には卵サラダや国産チーズなど、食べ方自在のつまみが目白押し。
一口ごとに新しい幸せがが弾けます。
このプレートは店主夫妻にとって、パンを通じた共同作業の賜物でもあります。
パン焼き担当の夫、田村裕二さんが出勤するのは何と夜の23時。
狭小な厨房で朝までパンを焼き続け、日中に翌日用の生地を仕込んで店を後に。
対してパン呑み担当の妻、真紀子さんの出勤は早朝4時。
午前中にパンを売り、午後には惣菜やパンの具材を仕込んで15時からパン呑み営業。
その後裕二さんと入れ替わるように帰宅します。
名店『シニフィアンシニフィエ』で修行などで夫が体得した生地に、
料理人の妻の独創的な具材が包まれ、夫が焼き、妻が販売する。
『たむらパン』には、夫唱婦随の愛と気合いの味があります。
本誌では『たむらパン』以外にも2024年にイチオシのパン屋がたっぷり紹介されています。
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