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怪談師うえまつそう氏の元に届いた古銭は、不可解な幻想を引き起こすといいます。
怪現象に見舞われていたある日、火事の夢で目を覚ましたうえまつ氏が目撃したのは、
赤く燃える一銭硬貨でした。
ムーに掲載されている、
怪奇事件リポート『袋から鳴り響く軍歌の旋律・自然発火する祟りの古銭』をピックアップします。
袋から鳴り響く軍歌の旋律
自然発火する祟りの古銭
文:うえまつそう
2022年、空前の呪物ブームが来ていることをご存知だろうか。
そんな呪物ブームに乗っかる気はさらさらなかったのだが、
まさか自分の元に呪物がやってくるとは夢にも思っていなかった。
ある風の強い日の朝だった。
インターホンの音で目を覚まし、玄関を開けると郵便配達員が一通のレターパックを届けてくれた。
何かが届く覚えはまったくなかったが、ただそれはズッシリと重く、振ってみるとじゃらじゃらと金属音がする。
「ん…?これは……お金?」
早速開けてみると、そこには大量の古銭が詰め込まれていた。
送り主を見ると、知り合いのおばけ探知機ばけたんのK社長からだった。
とくに説明書きもなかったのでK社長に電話で話を聞くと、
どうやら「おかしなこと」が起きるいわくつきの古銭らしい。
K社長はアンティーク収集の趣味があるのだが、この古銭たちを手に入れてからというもの、
自宅内で目の前を影が通ったり、寝ているときも枕元に人が立っているような違和感を覚えたりと、
不気味な感覚につきまとわれていたという。
手元におきたくないので私に送ったそうだ。
普通ならはた迷惑な話だろうが、オカルト好きな私としてはうってつけの玩具のような存在なので喜んでいた。
あの出来事が起きるまでは……。
届いた古銭は全部で50枚近くあり、その種類も江戸時代の寛永通宝から昭和初期の一銭硬貨まで多種に渡る。
そんな古銭が家に来て数日後、音楽のようなものが部屋から聞こえるようになった。
うっすらと聞こえるその雰囲気がどうやら軍歌のようなものに似ている。
そしてそれが不思議と古銭を入れていたビニール製の袋の中から聞こえているようでもある。
慌ててカメラを回してもその動画には音楽が入らない。
そんなことが数日続いたある日、とある夢を見た。
家が火事になり燃え盛る部屋を匍匐前進で必死に逃げようとしていると
焼けた家具が目の前に落ちてくるという異様な夢で、その瞬間に目を覚ましたのだが……。
目を覚ましてもまだ火事の夢の焦げ臭さが残っている。
おかしいなと思っていると、どうやら本当に焦げた匂いがする。
慌てて寝室から居間に行くとそこには真っ暗な部屋の中で赤く燃えはじめている古銭の袋があった!
磯市でその袋をキッチンに持っていき水道で消火。
幸いにも他のものに燃え移らず、大事にならなくてよかったが、なぜ燃えたのだろうか。
私は喫煙の習慣もないし、居間に発火をもたらす火器はなかった。
寝起きも手伝い半分パニック状態で燃えていた古銭の袋を漁っていると、
その中で一枚、発火したであろう古銭を発見した。
信じがたいが、袋と古銭の状態からして、どうやらこの一枚が自ら熱を帯びて発火したようなのだ。
怪奇現象はこれで終わらなかった。
こんな出来事ははじめてだったので、数日後に控えた怪談イベントで話そうと
その一枚だけを別の容器に移し、保管していた。
怪談イベントの当日。
この一連の話をしようと数日ぶりにその古銭を確認したところ……
その古銭がなぜかズタズタに切り刻まれていた!
カッターナイフのようなもので10回以上、切り付けられたような有様だったのだ。
なぜ燃えたのか、なぜ切り刻まれたのか。
その説明はまったくつかない。
その後、現在もまだ所有しているが、今は燃えても大丈夫なように金属の入れ物に保管している。
その古銭は昭和13年の一銭硬貨だったのだが、
その後さらに調べているとどうやら古銭の袋から聞こえてきていたとある軍歌に似ているメロディであった。
多くの人の手にわたる硬貨は、自然と呪物になりやすいのだろうか。
皆様もどうかお金の扱いにはお気をつけて。
本誌では、さらに古銭の詳しい写真、リポートが掲載されています。
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