この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。
2024年6月、ソフトバンクはAIスタートアップ『Perplexity(パープレキシティ)』との戦略的提携を発表しました。
AIスタートアップ『Perplexity』とはどのような会社なのでしょうか。
日経トレンディにて紹介しています。
ソフトバンク、“ググる”をオワコンに?
大胆戦略『無料開放』でAI検索の幕開けか
2024年6月、ソフトバンクはAIスタートアップ『Perplexity(パープレキシティ)』との戦略的提携を発表。
ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOの契約者を対象に
AI検索サービス『パープレキシティ プロ』を1年間無料にするキャンペーンを開始しました。
パープレキシティ プロは通常で月額2950円(税込み、以下同)から。
LINEMOの月額990円プランの場合、スマホ料金を相殺できるばかりか、
さらに約2000円も得することになります。
対象となる3ブランドの契約数は約3073万(24年3月末)と大規模で、まさに大盤振る舞いの状況です。
ソフトバンク コンシューマ事業推進統括の本多悟郎氏は、無料キャンペーンの効果で
「他キャリアから乗り換えたユーザーも数多くいるようだ」と話します。
狙いは契約者数だけではありません。
ソフトバンクはもちろん、NTTやKDDIなども自社開発やスタートアップとの提携などでAI事業に多額の投資を行っていますが、
そのほとんどは法人市場に限定されています。
過去の“Yahoo!BBモデム無料配布”を彷彿とさせるような無料キャンペーンで、
コンシューマーAI市場を一気に掌握しようとしているのです。
ウェブ検索に最適化されたAIであるパープレキシティ プロの特徴は『検索結果に関連する出典を数多く示すこと』。
URLが付記されるため、どんな情報を根拠にしているかを確認できます。
最近になってChat GPTもウェブ検索に対応するようになりましたが、出典の数は少ないです。
実際に「大谷翔平のホームランの数は?」と質問をしたところ
パープレキシティ プロが15件の情報ソースを基に回答したのに対し、Chat GPTが示したソースは3件のみ。
パープレキシティ プロは十分な内奥の回答で、
「メジャー通算打率は?」などといった、情報をより深掘りできる追加質問も提案しました。
複数のAIモデルを選べる点も魅力です。
標準のパープレキシティ エンジンだけでなく、Chat GPTに使われている『GPT-4o』、
アンソロピックの『Claude 3.5 Sonnet』などを切り替えられる。
パープレキシティ プロを利用するだけで他社の最新AIモデルも使えるということは非常に“お得”でもあります。
Yahoo! Japanが検索サービスを開始したのは1996年。
当時は膨大な数のサイトを“人力”でカテゴライズしていましたが、2005年にはロボット型検索を本格導入。
さらに14年にはSNSが対象のリアルタイム検索を開始するなど、国内のウェブ検索は約10年周期で進化してきました。
そして24年に登場したのが、意図を理解し、検索を“代行”するパープレキシティ プロ。
ソフトバンクの戦略が成功すれば、ウェブ検索のスタイルがさらに大きく変わりそうです。
本誌では、記事本文をお読みいただけます。
この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。