《映画『変な家』出演》佐藤二郎「幼い頃から好きだったことが仕事になっている有難さ」

YouTubeで話題の『変な家』が映画化されることになりました。

主人公の変人設計士役には、幅広い分野で活躍中の俳優・佐藤二郎さん。

男の隠れ家では、映画と、家族への思いを語っています。

今までにない
ちょっとした違和感から始まるミステリー

YouTubeとWeb記事をもとに書籍化したベストセラー小説が原作の本作。

オカルト専門の動画クリエイター・雨宮（間宮祥太朗）と
設計士の栗原（佐藤二郎）がある間取り図と出合うことから始まります。

「この作品を面白いなと思ったのは、間取りの“謎”を追うというストーリーです。今までにミステリーは山のようにあったけれど、家の間取りに感じた、ちょっとした違和感から始まるミステリーはなかった気がする。やはり“今までにない”というのは魅力を感じます」

俳優だけでなく、脚本を書き、映画監督も務める多彩な佐藤さん。

YouTubeで人気が出た点にも今の時代を感じたといいます。

「最近は原作ものの映画やドラマが多いですが、YouTubeは皆さんがネットから探し出して大きな話題になる。今回は映画にまで。それが新しいというか、今どきだなと思って、作品に参加したいと思いました」

ミステリーの“怖さ”もあります。

「間取りを見て、何か変だなと感じる、これがポイントだと思います。ものすごく怖いことは誰が見ても怖いけれど、ちょっとした違和感にぞくっとする怖さを感じてほしい」

栗原の変人ぶりは佐藤さんが演じるとさらに面白くなります。

「いつも寝癖で髪がハネてスイーツ好き。ちょっと変わった人物です。栗原のように突出して優秀な人は一つのことに夢中になると靴下を半分脱ぎ掛けたままでいるとか、それ以外のことは全然駄目なところがある。そんなイメージで演じました」

間宮祥太朗さんとのバディぶりも息がぴったりだったそう。

「栗原は雨宮さんが可愛くてしょうがない、大好きである。表には出さないのですが、その思いをベースに演じました。喋るときは姜尚中さんのイメージ。声を小さくして聞く人が耳を澄ませて聞くような話し方です」

共演の間宮さんは佐藤さんから見てどんな役者でしょうか。

「いい俳優はみんなそうですが、硬軟に関わらず、いろんな役ができる。技術もハートも備えている。優れた俳優さんですね。共演の川栄李奈さんがよく笑うんですよ。それで、間宮さんと二人でよく川栄さんを笑わせていました。楽しい現場でしたね」

石坂浩二さん、高嶋政伸さんなど豪華キャストも登場します。

「横溝ミステリーのような展開になるので、石坂さんの出演は嬉しかったですね。石坂さんがかつて演じた探偵役を僕や間宮さんが演じる。ファンの方は喜ぶと思います。金田一耕助のように髪の毛をかきむしってフケを落とそうかと思いました（笑）」

幼い頃から好きだったことが仕事になっている有難さ

俳優を志したのは小学生の頃。

絶対に自分は役者になれると妙な自信を持って、有名脚本家やプロデューサーに、
自分で書いたセリフをカセットテープに吹き込んで送ったのだとか。

「息子にもよく言っていることですが、好きなものを一つ見つけて、それが君の仕事になればいいなと。ただ、好きなことが仕事になっている人間の傲慢さが出てはいけない。幼い頃から好きだったことが仕事になっている有難さを、つねに謙虚に感じていたいと思います」

本誌では、多忙ななかでの楽しみや家族についてもインタビューに答えています。