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職場では降格人事、給与カット、ハラスメント告発などのリスクにさらされ、
家庭では夫婦不和、介護、更年期障害や健康不安に苛まれる50代たち。
SPA!では、現代の中高年を襲う強烈な孤独感と不安の実態に迫っています。
家庭でも職場でも50代はストレス過多
ライフイベントから見るメンヘラリスク!
中高年のうつの増加が止まりません。
2020年に厚生労働省がまとめた年代別のうつ病患者のグラフを見ると、40~50代が全体の4割を占めます。
なぜ、中高年はうつになりやすいのでしょうか。
心療内科医の鈴木裕介氏が解説しています。
「体力低下に加え男性ホルモンの分泌量が減少し、認知機能の衰えも50代から始まります。社会的にも職責が重くなり、家庭では大黒柱としての重圧や両親の介護など環境の変化も起こる。これらの複合的要因が重なってメンタルヘルスが乱れやすくなるのです」
昨今、社会のコンセンサスが大きく変容するなか、長年の価値観が崩れ、
なんとか乗り遅れまいと過大なストレスを抱える中高年も少なくありません。
「例えば女性の部下やLGBTQへの配慮、発達障害の傾向のある人へのフォローなど、ケアすべき事項が増え続けており、なんとか対応しようと疲弊してしまうんです」
こちらの表は、アメリカの心理学者が提唱した「社会的最適応評価尺度」を参考に、
中高年が経験するであろうライフイベントのストレスを編集部が独自に数値化したものです。
この表を見れば一目瞭然ですが、40~50代は何かと波乱含みの展開が続いています。
家庭や職場でも40代に入ってからは悩み事が尽きません。
「中高年男性は自分の感情は男らしく抑制すべきというジェンダー的役割の意識も強いのでストレスも抱えやすい」
そのため家庭や友人にも弱音を吐けない人が多いといいます。
「実際に、中高年男性の4人に1人が助けを求める場所がないと答えたデータもある。うつ患者は女性に多いが、自殺率は男性のほうが圧倒的に高いのはこうした傾向も関係あるでしょう。ゲームでも『逃げる』や『助けを呼ぶ』のコマンドが選べない不自由な作品は“クソゲー”と言われがちですが、そんな“クソゲー”に巻き込まれないよう、人に助けを求める技術を中高年は身につけてほしいと思います」
古き価値観やプライドを脱ぎ捨てる覚悟が迫られています。
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