《臓器移植と記憶移転のミステリー》心臓と肺臓を移植後、ドナーの生前の食べ物が好みに…

  • 更新日
  • 有効期限 2024.09.08

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あなたは、こんな話を聞いたことがありませんか?

 

臓器移植後に、性格や好みが変わった。

調べると、臓器提供者の生前にそっくりだった……

そう、まるで性格・嗜好が転移したかのように。

 

このような臓器移植後の人格変容の事例は実は世界各地から報告されています。

ムーで特集されている『臓器移植と記憶移転のミステリー』についてピックアップします。

 

不可思議で頂上的な体験
臓器移植と記憶転移

 

 

ドナーとレシピエントの性格・嗜好が似はじめる

 

ドナー(提供者)の真三や肝臓・肺臓などの重要な臓器が、
見ず知らずのレシピエントの言動や嗜好がドナーのそれとよく似はじめる……

 

それはまさに、現代最先端をいく物理・生物化学や心理・精神科学の専門家たちにとっても、
説明不可能な超常現象といえます。

またそれだけに海外や国内の小説や映画、漫画やアニメ、そしてテレビドラマの世界では、
しばしばストーリー展開のもっとも重要なファクターとして使われ、読者や視聴者の関心を強く惹きつけます。

 

たとえばわが国では、漫画の神様・手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』の1編に、
ボールが目を直撃して視力を失った女性テニスプレイヤーが、角膜移植手術を受け、
ドナーの殺された女性が最後に見た犯人の姿を認知できるようになるエピソードがあります。

ハリウッド映画の名作『この胸のときめき』(原題:Return To Me)(2000年)では、
交通事故死した恋人の心臓を移植されたヒロインとドナーの夫が偶然に出会い、
互いに心惹かれるようになります。

 

ですが、そんな臓器移植と記憶転移の話は、決してフィクションの話というだけには留まりません。

それどころか、現実世界ではフィクションも顔負けするほどに不可思議で超常的な怪奇体験の実例が、
たくさん報告されているのです。

 

フィクション顔負けの心臓移植ミステリー

 

そんな実例のひとつが、
『記憶する心臓ーある心臓移植患者の手記』という邦題(原題:A Change of Heart)で翻訳出版もされています。

本国アメリカでは、さらに同書を原作に『見知らぬ人のハート』(原題:Heart of a Stranger)と題する
テレビ映画も2002年に制作・放映されました。

 

これはバレエダンサーのクレア・シルヴィアが1988年に心臓と肺臓の移植手術を行い、
その直後から心身の不可解な変化を経験するようになったという体験実話です。

 

心臓移植手術を受ける以前のクレアは、職業病もあって、ビールはもとよりアルコール類はいっさい飲まず、
またフライドチキンも食べず、グリーンペッパーなど刺激の強いスパイス類も口にせず軽蔑感さえ抱いていたのに、
移植手術を受けた直後から、嗜好ががらりと一変して、
そうしたものに対する“理解しがたいほどの”強烈な食欲に悩まされるようになったのです。

 

その後しばらくしてクレアはたまたま、心肺移植のドナー男性の遺族である両親と面会する機会があり、
そのときある事実を告げられました。

ドナーは不慮の事故死を遂げた若い自転車競技のプロレーサーで、
移植手術以来彼女が無性にほしくなった飲み物や食べ物は、すべて生前のドナーの大好物だったというのです。

 

このように臓器移植に伴って嗜好や趣味や人格が変容をきたす不可解な実例は、
外科手術のテクノロジーが著しく向上した20世紀以来、折りにふれて報告されるようになっています。

 


 

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