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今や出演オファーが絶えない女優の吉岡里帆さんを東京カレンダーが約3年ぶりに誘い出すことに成功!
場所は『SAVOY 麻布十番店』の一角を占める『SAVOY クラシック』。
炭水化物の塊たるピッツァは女優の敵にもなりえますが、この日の彼女に躊躇する様子はなく、
カットされたそれを次々と口に運んで、満足そうに顔を綻ばせました。
さて、何がその笑顔を引き出したのでしょうか。
30歳を迎えた吉岡里帆の肝の据わった女優魂とは?
この日、吉岡さんは取材場所のレストランに現れて、撮影の用意がととのった店内をぐるりと見渡すと
誰に言うともなく「よしっ!」と掛け声のようなものを発しました。
彼女の向上心やプロ意識の高さは各方面で囁かれていることですが、その評判どおり、
カメラを向けられればもちろん、撮影の合間においても彼女が気を抜くことはありませんでした。
真剣な表情でモニターを見つめ、自らのポージングや洋服の写り方、肌の色にまで目を配ります。
そして、自分の意見を述べ、スタッフの声に耳を傾け…。
その姿には「いいものを届けたい」という想いがみなぎっているように感じられます。
吉岡さんはこの3年について語ります。
「確実に打たれ強くなったと思います。自分の引き出しが増えたという実感もあります」
彼女は口火を切ります。
「笑わせたい、楽しませたい、感動させたい。そうしたシンプルな考えに基づいて仕事をしてきました。ひとつのイメージに縛られない存在でもありたいので、できる限りいろいろなオファーを受けるようにしていたんです。結果、コメディーからシリアスまで幅広いジャンルの作品といい形で関われるようになってきました」
できることが増えれば、おのずと自信がつく。
吉岡さんは「撮影現場でアドリブを求められても柔軟に対応できるようになってきた」と話しますが、
実際そうなのでしょう。
この8月に公開される青春映画『Gメン』では高校教師に扮し、ヤンキーとオタクしかいないクラスの担当として
「誰がババアだよ!このヤロー!」といった暴言を吐くなど、変幻自在な“カメレオン女優”ぶりを遺憾無く発揮しています。
「あの映画における私はあくまで脇役。笑っていただくための箸休め」
ご本人からは謙遜の言葉が聞かれました。
しかし、当然のことながら誰でもいいわけではありません。
選ばれし人が演じるからこそ、観客はより深くその世界に没入できるのです。
なぜ、『吉岡里帆』は豹変できるのでしょう。
役者を生業にする人には愚問かもしれませんが、敢えてぶつけてみることに。
すると、彼女はなんの惑いも窺えぬ真っすぐな目をして、次のように言います。
「作品において自分がどんな役割を担っているのかを意識すると、自然にそうなるのだと思います」
たしかにそのとおりかもしれない。
ですが、新しい役に挑み続ければ、演技に迷い、壁にぶつかることもあるのではないでしょうか。
開かない扉にぶち当たったときはどうするのでしょう。
「無理やりこじ開けるんです」
吉岡さんは笑っていました。
その言葉つきには有無を言わせぬ強さがあり、貫禄さえ感じられました。
本誌では、30歳になった彼女が自分自身をどのように捉えているのかをインタビューしています。
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