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2024-08-01 発売号 (2024年9月号)
この子と出会い、私の人生がどれほど生き生きとしたものになったのでしょう。
婦人画報では、そんな思いをもつ人々が、どんな縁を通じて愛犬、愛猫と家族になり、
心豊かに暮らしているのか、インタビューしています。
大所帯から一人っ子まで、さまざまな構成の家族でそれぞれ、心温まる物語が紡がれています。
今回は、演出家・宮本亞門さんと愛犬・ビートを紹介します。
毎日3時間、一緒に散歩
忘れていた大事なことをビートが教えてくれる

僕の生きる力になっている天使のような存在
東京・沖縄の2拠点で暮らし、世界で活躍する演出家の宮本亞門さん。
多忙を極める亞門さんの毎日は意外にも早く、夜明けとともに始まります。
「毎朝ビートがくぅと鳴いて僕を起こしに来るんです。散歩の合図ですね。それから3時間くらいビートと散歩。これが日課となりました」
ふわふわの毛に、垂れた耳が愛らしいビートは今年で14歳になります。
出合いは沖縄でした。
「1998年公開の映画『BEAT』の沖縄ロケの初日、林の中に捨てられている一匹の小犬を見つけました。口は針金で結われ、手は紐で縛られ、石を載せた籠に入れられ捨てられている。あまりにも悲惨な状況を目の当たりにし、放っておけず、その犬を飼うことに。名前は映画の名前をとってビート。これが初代ビートとの出合いでした」
犬好きだったお父様と大事に世話をし、愛し愛されたビートは10歳のとき天国へ。
その喪失感からしばらく抜け出せず向かったのが沖縄県動物愛護管理センターでした。
「沖縄は野犬が多く、夜になると切ない声が聞こえてくるんです。沖縄には『命は宝(ぬち・どぅ・たから)』という、いい言葉があります。犬や猫の命も宝ですから」
こうして迎えたのが現在ともに暮らす2代目のビート。
顔も性格も、先代のビートとよく似ていてとても優しく、
辛いことがあったり、落ち込んでいたりすると傍に来て寄り添ってくれるそう。
「僕ががんの闘病で2週間入院していたときのこと。退院の日、スタッフとビートが病院の玄関まで迎えに来てくれたのですが、そのとき初めて大きな遠吠えをしたんです。普段ほとんど鳴かない子なのでびっくりしましたが、僕との再会を全身全霊で喜んでくれたのだと思います」
いまも家に帰ると毎日、しっぽを振って出迎えてくれるビート。
その瞬間を懸命に生きる。
人間にとっていちばん大事なことを教えてくれると、死と向き合った経験がある亞門さんだからこそ、
その姿に力をもらうといいます。
「ビートの愛は無条件。この子が生きていることが、僕の生きる力になっている。耳をパタパタさせて嬉しそうに歩く……まさにエンジェルの羽!僕にとっては天使なんですよね」

本誌ではさらに他にも愛犬や愛猫と飼い主の間の絆が紹介されています。
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