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『ナンバーワンになりたい』という思いが事業成長の原動力になってきたという
富士フイルムホールディングス社長の後藤禎一氏。
主力のヘルスケア事業は、M&Aを駆使して売上高1兆円を超える規模まで育ちつつあり、
1兆円投じる医薬品の開発製造受託(CDMO)の収益性に自信を持ちます。
今号の日経ビジネス電子版にて掲載されている、
富士フイルムホールディングス社長の後藤禎一氏のインタビューをピックアップします。
負けるばくちは打たない
2025年3月期通期では、4期連続の最高益が確実になってきています。
富士フイルムの成長をどのように感じていますか。
「稼ぐ力が付いてきたと感じています。その力を付けようとずっとやってきた。今期は通期では売上高3兆円、営業利益も3000億円を超える見通しで、社員の士気も高まってきています」
ヘルスケア、2年早く1兆円へ
「ヘルスケア事業は当初、27年に1兆円を目指していましたが、それが2年ほど早まりそうです。エレクトロニクス事業では、新型コロナウイルス禍で落ち込んでいた半導体材料が、市況の回復によって伸びてきています。かじを切って投資を続けている分野が成長軌道に乗ってきており、手応えを感じています」
10年前には事業セグメントの一つにもなっていませんでした。
「私は中国での駐在を経て、メディカルシステム事業部長を務めるなどしてヘルスケア事業に携わってきました。最大限引っ張ってきた自負があります。
21年、日立製作所の画像診断機器事業を買収した日が、私の富士就任会見でした。これが、富士フイルムがヘルスケアにかじを切ったことをアピールすることになったと思います。1兆円という数字は、世界に出て戦える数字だと感じています」
新しい事業の育成は難しく、多くの経営者も足踏みします。
何がその差を分けるのでしょうか。
「ヘルスケア事業はM&A(合併・買収)を繰り返しながら、事業を研究してきました。00年にフィルムの販売がガクンと落ちてから、最初の10年間は探索期でした。11年に米メルク子会社を買収し、医薬品の開発製造受託(CDMO)に参入したのも探索の一つで、当時は創薬を始める選択肢がある中で始めました。
その後、20年くらいまでこれはできる、これはだめというのが見えてくる検証期に入りました。その間、売却し手を引いた事業もあります。私が社長に就任した時にはCDMOを成長させようというコンセンサスが社内にあり、投資を進めてきました」
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