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寒さが本格化し、さらに年末の多忙とイベントが押し寄せる師走。
万全のコンディションで乗り切るためにも、食生活によるインナーケアをしっかりしたいところ。
ananでは、『冬のチャージ&デトックス』を特集!
さらに冬に食べたい美味しくて栄養たっぷりのレシピも紹介しています。
今回は、『寒さを乗り切る、冬ごはんの4つの心得』をピックアップします。
寒さを乗り切る、冬ごはんの4つの心得

冬ごはんの心得(1)
免疫力をキープするために旬の食材のパワーをチャージ
薬膳・発酵料理家の山田奈美さんによると、中医学では、人体の働きを5つに分けた五臓のうち、冷えに弱い“腎”(腎臓や膀胱、生殖器系)が冬に不調をきたしやすいといいます。
腎の機能低下が進むと、免疫力が下がるほか、髪が抜けやすくなるなどエイジングが進む恐れも…。
「その時季に体が必要とする栄養素たっぷりの旬の食材を摂れば、自然と体調が整います。腎をいたわることが冬の養生のポイント。
旬の食材では、腎を補う働きがあるごぼう、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリーのほか、山芋や黒豆などがおすすめ。乾燥しやすい季節なので、体を潤すさつま芋や長芋、レンコン、ほうれん草、柚子などの柑橘類や、体を温める作用を持つサバやブリ、イワシ、人参やネギなども意識して摂りましょう」
冬ごはんの心得(2)
冬の寒さは万病のもと。体を内側から温めることが大事
寒さによる体の冷えは、関節の動きを制限し、血や気の巡りを滞らせ、気持ちを沈ませるなど、さまざまな不調を招く原因になります。
衣類での調節だけでなく、食事で体を内側から温めることが、冷え対策に有効。
「野菜や魚は、サラダやお刺し身ではなく、茹でたり煮たり加熱をして、ショウガやネギ、ニンニク、唐辛子などの薬味と一緒に食べることで温め効果がぐっとアップします。旬の大根や白菜、青菜は、実は体を冷やす性質があるのですが、加熱調理をすることで、冷やす働きをやわらげられます」
また、味噌や酒かすなどの発酵食品は、腸の働きを活発にしてエネルギー代謝を高め、血行や消化を促進する作用があります。
「例えば、味噌汁に旬の野菜をたっぷり入れるのも◎。朝に食べると、排せつを促し、体温をしっかり上げてくれます」
冬ごはんの心得(3)
年末の多忙と飲み会ラッシュ…消化の良し悪しも要チェック!
日本人は欧米人に比べ消化・吸収力が低いうえに、会食が増え、ご馳走が続きがちな年末年始は、とくに胃腸が弱りやすいです。
消化の良し悪しにも注意したいところ。
「油を使う揚げ物や炒め物は、腹持ちはいいけれど、消化・吸収には時間がかかります。
消化にいいのは、煮る、茹でる、蒸すなどの調理法です。胃もたれがあるときは、大根や山芋、かぶ、にんじんなどをすりおろしたり、薄切りにして酢の物にしたりするのがおすすめ。
生で食べることで消化酵素が活性化するので、消化を助けてくれます。ただ、体を冷やしやすいので適量にしましょう」
胃の中は通常37度前後に保たれていますが、冷たい食べ物や飲み物は胃を冷やし、消化能力を下げてしまうそうです。
「お酒を飲むならビールや焼酎より、体を温める性質を持つ赤ワインや日本酒を選ぶとベター。いずれにせよ、アルコールの飲み過ぎは体の冷えを助長するので要注意です」
冬ごはんの心得(4)
バランスのとれた食事で守りを固めればさらに万全に
食事のバランスを考えるうえで目安となるのは「五味」。
中医学では、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味をまんべんなく摂るようにすると、五臓が補われ、体の調子が整うと考えられています。
「お米、芋類、肉や魚、きのこをはじめ、多くの食材が甘味に当てはまります。そんな甘味をメインにして、柚子などの柑橘類やお酢で酸味を、ショウガ、ネギ、唐辛子などの薬味で辛味を、ごぼうや緑茶で苦味をプラスしていくイメージです。
鹹味とは塩辛いもののことで、腎を補う性質があるため、海藻や貝類、小魚、味噌や塩などもしっかり食事に取り入れていきましょう。
また、1食の中にさまざまな要素の食材が入っているかは意識したいポイント。鍋料理、スープなどは、いろんな食材を一度に味わえて五味のバランスが整い、体も温まるので理にかなっています。冬は食事に関わるこれらのポイントをちゃんと守ることで、風邪を予防し、健やかに過ごせるはずです」

本誌では、難しいと思いがちなせいろ蒸し料理の初心者のためのレシピがたっぷり掲載されています。
らくちんでヘルシーなせいろ蒸しレシピをご覧ください。
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