ままならない女性の人生を肯定し導いてくれる作品たち【生き方を知る映画】

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選択に迷ったり、自分がわからなくなったり。

生きているといろいろなことに遭遇します。

そんなとき、誰かの人生を描いた映画が助けてくれることもあります。

 

&Premiumでは、生き方に悩んだときに、何度も観たくなる、そんな作品を紹介しています。

今回は、コラムニストの山崎まどかさんと小説家の山内マリコさんの対談をピックアップします。

 

ままならない女性の人生を肯定し導いてくれる作品

 

 

人生を問い直したいとき、元気を出したいとき、新しい世界に飛び込むとき。

コラムニストの山崎まどかさんと小説家の山内マリコさんが、女性が人生で直面する問題に、背中を押して支えてくれる映画について話しています。

 

経済や自立の側面から女性の人生を問い直す

 

山内:『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は生き方映画そのもの。女性の人生の四択を四姉妹のキャラクターに当てはめて描いています。

特に四女のエイミーが家族を養うために裕福な夫を見つけようとするのは、女性と経済の問題をストレートに表現していると感じました。女性が経済から切り離されていることの構造的な差別が、この作品では見事に言語化されています。女性と経済の問題は難しくてわかりづらい。元凶がつかめていないと「努力が足りない」というような的外れなことを言ってしまいがちです。

 

山崎:監督のグレタ・ガーウィグは女性が自覚的に人生を選び取るように描いたんでしょうね。女性がお金を持てない時代に自由に生きる方法のひとつとして、エイミーは結婚して、さらに叔母の財産を受け継ぐ。それは現代の私たちが考える自立とは言えないけど、一番いい形を選びます。原作での可愛くてオシャマな少女という描かれ方から、この作品では意志的な女性に。これまでのイメージを随分変えて、彼女の生き方が現代の人に納得できるものにしています。

 

山内:この時代の女性は、親の庇護下にいる間はお金も含めて不自由、結婚してようやく一人の人間として生きていける。それを踏まえてエイミー像を見ていく必要を感じますよね。全世界的にフェミニズム意識でものを見るようになった現代に合わせて、グレタ・ガーウィグがエイミー像を改変したのには、古典をリメイクする意味を本当に感じました。古典でいうと『ある貴婦人の肖像』も似たテーマですね。

 

山崎:これも女性がお金で自由になれるかという話。原作者のヘンリー・ジェイムズがよく書いているように、無垢でお金持ちのアメリカ女性がヨーロッパにやってきて、老練な男に籠絡されてお金をぶん取られる。主人公は19世紀末にヨーロッパに来たアメリカの若い女性。夫に従属する結婚を避けて自由を模索していたのに、結局金の必要な男に誘惑されて結婚。財産を捧げることになり自由も奪われてしまう。女性の自由はお金次第。

90年代にジェーン・カンピオンがこの映画を撮ったときに、すでにそういうことが考えられていたし、それは構造上、今でもあまり変わっていない気もします。現代になっても女性が儲けられない時代のままです。古典を見直すと女性と経済問題が頻繁に出てくるのに、なぜかあまり語られません。

 

山内:こうやって古典を今観ると、19世紀後半はお金がアメリカに集まり始めている時代です。ヨーロッパは階級や名誉はあるけれど金がない。アメリカは新興国だから金だけある。男性と女性をイギリスとアメリカに重ね合わせて語っています。古典は奥深い。

 


 

本誌では、お二人の対談の続きをお読みいただけます。

 

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