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依然として高い人気を集めている湾岸タワーマンション。
いわゆる『勝ち組』の住み家というイメージですが、それは本当に正しいのでしょうか。
PRESIDENTでは、不動産ジャーナリスト・榊 淳司氏が『真の資産家』がタワマンに住まない理由とその背景をコラムにてまとめています。
30~40年前まで湾岸は瓦礫やゴミの埋立地
文:榊 淳司
湾岸タワーマンションといえば「富裕層が住むところ」とイメージする人が多いでしょう。
しかし実際のところ、富裕層の中にはタワマンを好まない人も多いことをご存知でしょうか。
私はマンション購入の相談を受けることが多いのですが、それで感じるのは、東京のタワマンを購入するのは大学入学時もしくは就職時に地方から上京してきた人たちが多いことです。
かつそれなりの大企業に勤めていて、世帯年収で言えば1500~2000万円ほどのいわゆるパワーカップル。
一言で言えば「地方出身のプチ成功者」といった方たちです。
湾岸タワマンに「東京生まれ東京育ち」という人が少ないのは、おそらく沿岸エリアに対するネガティブなイメージが強いことが理由の一つでしょう。
ほんの30~40年前まで、湾岸エリアは瓦礫やゴミがうずたかく積み上がった埋立地でした。
当時を知る人にとってみれば、「あんなところには住めない」というのが自然な感情なのです。
では、古くからの大地主や老舗企業の経営者一族など、東京の『真の富裕層』と呼ぶべき層の人たちはどこに住んでいるのでしょう。
私はマンション相談を通じてそういった方たちとお会いすることがありますが、田園調布や成城のような昔からの高級住宅地に住んでいる方はあまりいません。
特に現役世代の場合、利便性の高い千代田区番町、港区の表参道や赤坂の周辺、渋谷区松濤といったエリアで、小ぶりな戸建てや瀟洒なマンションなどに住んでいるケースが多いと感じます。
ちなみに、こうした人たちは派手に着飾るようなことはなく、一見して資産家には見えないような、地味な見た目の方が多いです。
乗っている車もスポーツカーなどではなく、センスの良いクラシックカーだったりします。
警戒心も強く、尾は暗視していても心を開いてくださるのに時間がかかる印象ですね。
見栄っ張りの正反対にいる方たちだと思います。
災害、インフラ停止で「コンクリートの箱」に
こうした富裕層が湾岸タワマンを避けるのは、実際のところ、湾岸タワマンが必ずしも優れた居住環境だとはいえない側面もあるからでしょう。
タワマンの最もわかりやすいデメリットは、外に出るまでに時間がかかること。
例えば40階に住んでいる場合、エレベーターが混み合う朝の通勤・通学時間に地上へ降りるには、数分~5分程度は見ておいたほうがいいでしょう。
毎日の出入りが不便なのはもちろん、病気や怪我で救急車を呼んだ場合に救急隊がたどり着くのに時間がかかってしまうのも不安要因です。
また子育て世代の人であれば、高層階から出るのが面倒なために子どもを外遊びに連れて行かなくなりがち。
自然や外気に触れる機会が減ることによる教育上のリスクを指摘する声もあります。
当然、南海トラフ地震や首都直下地震のような災害が起きた場合のリスクについても考えておかなければなりません。
東京湾の津波は最大で3メートルといわれていますが、湾岸タワマンであれば1階が床上浸水するおそれがあります。
エントランスホールに水が入れば、おそらくエレベーターは動かなくなるでしょう。
高層階の住人は、身動きが取れなくなってしまいます。
本誌では、コラムの続きをお読みいただけます。
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