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2025-05-23 発売号 (2025年6月号)
今日のお昼のパンは何にしよう?明日の朝のパンは買った?
そんな毎日に欠かせないパン。
あまから手帖では、「町のパン屋物語」を特集。
どんなお店が紹介されているのか、ピックアップしてみました。
近所にあの店がオープンしてから、もう何年経っただろう。
今ではすっかり町の景色に馴染んで地元の人々のよりどころとなりました。
町のパン屋に、物語あり。
託された、店のバトン

Nitta Bakery(ニッタベーカリー)――清水五条
「ニッタベーカリー」は、観光地の五条でも人々の営みが残る住宅地にある小さなパン屋さんです。
開店したのは、今から43年前。
初代で父の新田雄一さんの急逝を受けて一度は閉店となりましたが、5年の時を経て、2018年に4歳ずつ違いで性格もバラバラな三姉妹によって復活。
本頁の語り部である中家里奈さんは末の娘にあたります。
職人気質で、最後の最後までパン職人であり続けた父。
家でも職場でも多くは語らず、後継ぎについての話も過去に一度もしたことはなかったけれど、主を失った真っ暗な厨房を前に、三人の決意は揺るぎませんでした。
『30年間、ありがとうございました』
そう書いた一枚の張り紙を残し、再開に向けて別々のパン屋で働き始めました。
父の面影が残る店。
三人で力を合わせ、什器も品揃えも新たにした再オープンから7年が経ちます。
実は今、店に長女の麻記さんと次女の明香さんの姿はありません。
昨年4月に次女が熊本へ、そして12月に長女がタイに移住。
店も落ち着いたタイミングで、長く温めてきた新生活の夢を叶えました。
ひとりになっても続ける道を選んだのは、一度きりの人生を謳歌する姉たちのように、それが里奈さんにとっての「やりたいこと」だったから。
看板は父の味をイメージした、毎日でも食べられるご飯みたいな食パンと、里奈さんが愛してやまないクロワッサン。
健やかなパンに宿る、まっさらな想い

キビトパン〈三田〉
うららかな昼下がり。
近所の保育園帰りの子どもが嬉しそうにパンを抱く。
店内のイートインスペースでは、焼きたてのスコーンを片手に笑いさざめくマダムたち。
三田駅から徒歩5分、のどかな田園風景が残る郊外の古い納屋をリノベーションした「キビトパン」での日々の光景です。
店主の清原達也さんがパン職人を一生の仕事と定め、三田の地にたどり着くまでにはいくつかの出会いがありました。
ベジタリアンカフェで働き始め、29歳で、さらなる見聞を広げるためにワーキングホリデーでオーストラリアはメルボルンへ渡りました。
滞在中、ルームメイトだったのがトルコ系オーストリア人のパン職人。
彼が作っていたのが、小麦、水、塩に、自家製酵母を継いで焼く伝統製法のパンでした。
詳しいお店の情報はもちろん、まだまだパンのお話やお店の紹介は続きます。ぜひ、本誌でご覧ください。
本誌では他にも、『パンは、かわいい』を特集し、バターロールの思い出などを紹介されています。
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