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Vo.111となる今号の『RETRIEVER』では、111頭のレトリーバーを取材!
それぞれの物語を聞くと、大変なことではあるけれど心を動かされる話がたくさんありました。
レトリーバーそれぞれのエピソードとそれを見守り、絆を育んできた飼い主さん達との一つひとつのストーリーから
今回は浜松にある英国系ゴールデンの犬舎『Field Power』のレトリーバー、グランと、ジュノーをピックアップします。
命の誕生は祈る思い
母犬は命がけで新しい命を送り出す

浜松にある英国系ゴールデンの犬舎『Field Power』。
昨年12月、2頭がほぼ同じ頃出産しました。
写真のグランと、ジュノー(2歳)です。
グランはソファで産むのが好きなのですが、今回は帝王切開で7頭を無事産みました。
帝王切開での出産には麻酔がつきもの。
これは獣医師の腕次第で、危険な状況を招きかねません。
ブリーダーの田力祥子さんが話します。
「ママ犬に全身麻酔をかけるんですけど、麻酔料を間違えるとスリーピングベイビーになって還ってこなくなってしまうんです。ブリーダーを始めたころ、9頭中2頭がその状態になりました。諦めたくなくて2時間くらい刺激を与えて、温め、やれることはやりましたが還ってきませんでした。生きていたのに…と本当につらかったです。でも、この経験が糧となり、現在までなくす命はありません」
今回は、自然分娩のジュノーがなかなか大変だったそう。
「破水しているのに、一頭目がなかなか出てこなかったんです。しばらく時間がたったら足が見えたんですが、もう紫っぽくなっていて…。これはヤバイ!となったんですが、逆子でおまけに大きくて出てこられない。ジュノーは初産だったので本人も状況がわからず必死だったと思います。
でも、もう次の息みで出さないと子犬が危険な状態でした。ジュノーが悲鳴を上げて痛がったけど、とにかく陰部に手を突っ込んで助けるしかない。引っ張ると関節がやられるので、子犬をつかんでそーっと出したんです。
すぐにお湯を出して、袋を取って、羊水を吸って吐いて、振って振って、こすってこすって…へその緒も切ってなかったのでしょりして、また振ってこすって温めて。絶対に助けたい!こすってこすって刺激を与えて…とやっていたら、しばらくして小さな声を上げました。
還ってきた!
その後もタオルで包んでとにかく刺激したら、子犬がギャーッて声を上げてくれて。その後はもう大丈夫でした。無事に4頭誕生して、ジュノーも子犬達も元気です」
グランもジュノーも子犬達も、今はみんな一緒に日だまりで1日を過ごします。
子犬達はすでに『マテ』も『オイデ』も理解しているそう。
フードを使って、田力さんが最低限のコマンドを教えているのです。
「犬って安産と言われるけど、安産なコもいればそうでないコもいます。母犬が頑張って息み、子犬達は頑張って生まれてきます。グランはスウェーデンから来て、初めてのお産をうちでして、今回で3回目。もう引退です。あとはゆるゆると毎日を楽しんでほしいですね」
グランがうれしそうに微笑んでいます。
本誌では、全部で111頭のレトリーバーたちのストーリーをお読みいただけます。
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