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2024-12-27 発売号 (2025年2月号)
野生動物を追い日本各地を巡る一方で、8匹の猫たちと暮らし、日々の何気ない情景をファインダー越しに切り取り続ける大島淳之さん。
婦人画報では、この春には2歳になる6つ子たち、そのお母さん、16歳の先住猫という大家族の観察日記の一部を書き留めたメモを添えて紹介しています。
そして、動物のそのままの姿を木彫りにする彫刻家のはしもとみおさんによるエッセイも掲載。
大島さんの撮影した写真と、はしもとさんのコラムをピックアップします。
溢れてこぼれた愛そのものが生きている

猫は幸せな場所をよく知っていて、幸せを吸い取りにくるようなことがあります。
だけど飼い主が哀しい時、普段集めている幸せを気まぐれに分けてくれることがあります。
また、猫は暖をとるのが段違いに上手いです。
猫が寒そうにしている姿はほぼ見たことがなく、お家の中で最も暖かい場所を探しては暖を集めています。
暖コレクターなのです。
そして、飼い主が寒そうにしている時は普段温めているその体を気まぐれに提供してくれます。
布団にダイブしてくるのも、毛布に潜り込んで未確認生物のように動くのも、自らを動く湯たんぽだと思っているような行動に見えます。
猫と暮らしていると、猫たちがいかにとぼけているかがわかります。
いたずらをしても平然と無の表情でさらなる準備運動をしていたりします。
その度に私たちは、同じ人間だったら怒ってしまうようなことも許してしまう人間力が身につきます。
猫たちと暮らしていると、まさに「絵になる」暮らしがそこにあるのです。
毎日が作品になるからです。
そこにはただの猫ではない、その子のパーソナリティが煌めく瞬間があります。
似たような模様、似たような色や形であっても、個々の性格は行動に現れ、その子にしか表現できない言葉で語りかけてくるような面白さ。
その時のその子がいる空間すら愛おしい時、この瞬間が永遠にあればいいのに、と作品が生まれます。
猫がいると家の中がまるで愉快な美術館のように、数々のポーズ、光と影、色彩、表情、季節とともに毎日展覧会が繰り広げられるのです。

そして猫は軽やかに歳をとります。
人間の月日の流れをすり抜けて、昨日と違う姿でそこに座ってこっちを見ています。
黒い子がいつの間にか白い毛が増えたり、華奢で痩せっぽちで折れそうな手足だった子猫が、季節を一つ超えると以前入っていたカゴに収まりきらなくなって、自分でも驚いているような表情を見せてくれます。
そんな一瞬に立ち会うたび、猫たちは私たちから溢れてこぼれた愛そのものが生きて動かしているのではないかと考えたりもします。
猫の持つ愛はまさに今この瞬間の鋭い愛です。
その気まぐれさと言ったら無我の境地で、執着とは無縁のまさに禅のような世界観があります。
猫には未来の感覚も、過去の感覚もなくて、今この瞬間をどうご機嫌に過ごすか、という究極のマインドフルネスを教えてくれる存在でもあります。
そんなこんなで、猫と暮らす喜びはいつも、今この瞬間にあります。
猫が美しくなかったことなんて、人類史上一度もなかったことでしょう。
今日も猫撫で声で伝えましょうか、何度も何度もありがとう、と。
本誌では、大島さんが撮影した写真の紹介文なども掲載されています。
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